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イベント情報

4月25日は世界マラリアデー(World Malaria Day)です

 世界保健機関(WHO)は2015年までにマラリアで死ぬ人を無くそうとの目標を掲げ、2007年に世界マラリアデーが
制定されました。WHOの推計によると、年間3〜5億人がマラリアに感染し150〜270万人の死者があるとされて
います。また、アフリカでは45秒に1人、マラリアのために子供が命を落としている現実があります。

1. マラリアと日本人 ― 病気の輸入
 近年、日本での流行はありませんが、毎年百人前後の感染者数が報告されています。つまり、旅行先で感染し
帰国してから発症する人が増えているのです。現在の流行地は100力国以上あり、海外旅行をする時には、注意が
必要です。

2. こんな蚊が危ない
 マラリアはマラリア原虫を持つハマダラカ属の蚊に吸血されることによって感染します。ハマダラカはその名の
とおり、そのハネに斑点がある蚊で日本にも生息しています。また、尾部をあげ、倒立した姿勢でとまるという
特徴があります。マラリアは暑い地域の病気と思われがちですが、日本でもかつては北海道での流行があり、
ロシアやカナダでも流行した時代があります。ハマダラカが生息する地域ではどこでも発生する可能性がある
病気なのです。



3. 感染したらどうなる?
 マラリアは感染してもすぐに発症せず、潜伏期間があります。マラリア原虫は蚊の唾液腺から人の血液に入り、
肝細胞に達すると1週間ほどかけて増殖し、その後赤血球に潜りこんで赤血球を大量に破壊します。この時になって
高熱がでて、病気にかかったことに気づくのです。原虫が酸素を運ぶ赤血球を破壊し続けるため、治療が遅れると
死を招くことになります。

4. 予防は?―日本は蚊退治の先進国
 蚊にさされないよう、肌の露出が少ない衣類を着て、露出部分には虫よけを塗るという方法で、蚊を予防することが
必要です。服用する予防薬もありますが、これだけで安全というわけではありません。その他の予防方法として、
蚊取線香やリキッド、マット、電池式蚊取を使うことをお勧めします。中でも240時間持続する電池式は最先端で、
まだ海外では販売されていません。これらの蚊対策製品はすべて世界に先駆けて日本で開発されたものです。
リキッドやマットは国によって電圧が違うため、持ってゆくときは行き先の国の電圧の確認が必要です。エアゾール、
ローション、ジェル、その他の液体を飛行機で持ってゆく時は制限があるので注意が必要です。

5. マラリア原虫の発見
 長い歴史を持つ病気ながら、原因が究明されるようになったのは、19世紀末で、イギリス人のロナルド・ロスが
1897年にマラリア原虫を発見し、翌年、鳥を使った吸血感染実験によって、ハマダラカがマラリアを媒介することを
明らかにしました。ロスはこの功績で1902年に第2回ノーベル賞を受賞しています。ロスがマラリア原虫を発見した
8月20日を記念して、この日はモスキート・デーと呼ばれています。



6. 戦いは続く
 現在、マラリアの被害が最も深刻なアフリカ地域では、蚊が壁にとまる性質を利用して、一定の制約の下で、
家屋の壁面にDDTの散布を認めている国もあります。また、有機塩素系のDDTではなくピレスロイド系の殺虫剤を
含浸させた蚊帳が開発されています。ハマダラカは主に夜活動する蚊であるため、夜間就寝時に蚊帳で防除する
のは合理的な方法なのです。従来からさまざまな対策がうたれてきましたが、蚊も原虫も性質を変えて復活し、
油断をすると大規模な流行がおこる恐れはなくなっていません。世界ではマラリアとの戦いはまだ続いているの
です。

  WHO のWorld Malaria Dayについての詳細はこちら
  → http://www.who.int/mediacentre/events/annual/malaria/en/index.html   

  昨年12月に発表されたWorld Malaria Report 2010についてはこちら
  → http://www.who.int/malaria/world_malaria_report_2010/en/index.html

平成23年4月5日
社団法人日本WHO協会 理事
大日本除蟲菊株式会社 代表取締役社長
上山 直英