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イベント情報

11月14日は世界糖尿病デーです

国連は、世界での糖尿病人口の急激な増加は看過できない状態であるとして、2006年12月に糖尿病を世界全体への脅威として認める総会決議を全会一致で採択しました。そして、2007年以後の公式世界糖尿病デーとして、世界糖尿病連合 (IDF) とWHOの提案に基づき、インスリンを発見したFrederick Banting の誕生日である11月14日と定めました。
現在、世界中で糖尿病状態にあるとみられる人の数は約3億5千万人と推定されており、その80%以上が中・低所得国の人達です。
糖尿病状態とは、膵臓のベーター細胞が身体の必要とするインスリンを、必要な時に必要なだけ産出できないか、又は身体がインスリンを適切に利用できない等の原因で、血中のブドウ糖濃度 (血糖値) が慢性的に高い状態を言います。 成因から、大きく1型、2型、及びその他の三つの型に分類され、他に妊娠糖尿病という状態があります。また、病態から、生命を維持する上でインスリン注射が必須のインスリン依存型とそうでないタイプのインスリン非依存型に分類することもできます。
1型糖尿病は、主として若年者 (30才未満) や小児に発症し、インスリン依存型です。病因としては、自己免疫の異常やウィルス感染による膵臓のベーター細胞の破壊が挙げられています。
2型糖尿病は、中・高年 (40才以上) に発症することが多く、通常はインスリン非依存型です。ただ、近年発症年齢の若年化が見られ、この点にも注目が集まっています。病因としては、インスリンは分泌されていても、その濃度に見合った作用が見られない状態 (インスリン抵抗性) や相対的なインスリン分泌不足の存在が挙げられています。そして、このような状態をきたす複数の遺伝因子を有する人に不健康な食生活 (高カロリー、高脂肪等) 、運動不足などの環境因子が加わった場合、糖尿病状態になると考えられています。
現在、世界の糖尿病状態の90%以上が2型とされていますが、中・低所得国での急速な社会発展や都市化が環境因子として何らかの影響を及ぼしていることは十分推測されます。
その他の機序のものとしては、膵疾患 (膵炎、膵癌等) や肝疾患、薬剤性などが挙げられますが、いずれも成因のはっきりした二次性のものです。
糖尿病に関連して、最も大事なポイントは合併症の問題です。高血糖状態が持続すると身体の様々な組織に異常が生じてきます。特に重要なものとして、網膜症、腎症、神経病変、心・血管病変 (心筋梗塞、脳卒中、下肢の閉塞性動脈硬化症等) 、糖尿病足病変、歯周病等が挙げられますが、いずれも糖尿病状態にある人の予後を大きく左右するもので、これらの予防と進展の防止の為の合併症対策は糖尿病治療の根幹であり、最重要課題です。
WHOは、IDFと連携してDiabetes Program を実施に移しています。これは、世界中の国々、なかでも特に中・低所得国において、できる限り糖尿病の発症を予防すること、既に糖尿病状態にある人には適切な治療が受けられるようにすること、合併症を予防し生活の質を少しでも高いものにすることなどを目標に、様々な支援をしようとするものです。
特に、2型糖尿病の発症は予防が可能であり、予防には適切な食事と共に日々の適度の運動の習慣、即ち30分程度のウォーキング、サイクリング、水泳、ダンス等の有効性を強調しています。又、合併症の予防には禁煙の徹底を強く求めています。
2007年以後、11月14日を中心に世界の多くの都市や地域において各々の由緒ある建築物やモニュメント、また通りなどが、世界糖尿病デーのシンボルカラーであるブルーでライトアップされるイベントが行われています。参加する都市、地域は年々増加しており、日本でも今年は43都道府県でブルーライトアップが行われます。
美しいブルーライトアップを見て、我々も自身のライフスタイルを振り返ってみることも意味のあることかも知れません。

世界糖尿病デーについてのWHOのホーム頁のこちら (英文)

世界糖尿病デーについてのIDFのホーム頁のこちら (英文)

日本各地での関連イベントについてはこちら (日本語)

平成24年11月1日
公益社団法人日本WHO協会
理事長 関 淳一