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11月14日は世界COPDデーです

 2012年11月14日は世界COPDデーです。COPD (Chronic Obstructive Pulmonary Disease;慢性閉塞性肺疾患) は、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称で、「タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患」であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病と考えられています。
 WHOは、世界中で6400万人が中等度ないし重度のCOPDを有しており(2004年)、2005年には300万人以上がCOPDのために死亡、2030年までにはCOPDが世界の死因の第3位を占めるようになると推測しています。世界的に主要な死亡原因の1つでありながら、社会的な認知が十分とは言えないため、世界的な組織GOLD (Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease) の主唱のもとに2002年COPDデーが定められました。COPD問題への適切な対応のために、医学会、専門医、患者団体などが協力して、COPD啓発に向けたさまざまな活動を行っていこうというのが世界COPDデーの主旨で、GOLDは、毎年11月中旬の水曜日の1日を世界COPDデーと定めています。
 日本における2011年のCOPDによる死亡者数は16,639人で、死因の第9位を占めており、死亡者数は増加傾向にあります。日本では1980年ごろまでタバコ消費量の増加が続き、約30年遅れでCOPDの死亡者数が増加しているのです。
 大規模な疫学調査研究NICEスタディ(順天堂大学医学部の福地ら、2001年)によると、日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%で、患者数は530万人と推定されています。一方、2008年の厚生労働省患者調査によると、COPDの総患者数(調査日現在において、継続的に医療を受けている者、調査日には医療施設で受療していない者も含む)は約17万3千人でした。COPDであるのに受診していない人は500万人以上いると推定されます。すなわち、多くの人々が、COPDであることに気づいていない、または正しく診断されていないことになります。
 治療としては禁煙が基本です。失われた肺の機能は改善しませんが、喫煙を続けるとさらに肺機能が悪化してしまうからです。
 2013年度から開始される「21世紀における第2次国民健康づくり運動(健康日本21(第2次))」プランの基本的な方向において、「生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCDの予防)」がとりあげられました。国際的に、がん、循環器疾患、糖尿病、COPDはNCD(非感染性疾患)としてとらえられ、その予防と管理のための包括的な対策を講じることが重視されていることを受けたものです。健康日本21 (第2次) プランでは、COPDの認知度を2022年には80% (2011年は25%) に引き上げることを目標としています。
 また、報道によると、2012年10月30日に産学連携の「COPD啓発プロジェクト」が発足し、現在の認知度25%(「どんな病気かよく知っている」:7.1%、「名前は聞いたことがある」:18.1%、GOLD日本委員会によるインターネット調査、2011年)を、とりあえず5年間で認知度50%の達成を目指すとのことです。このプロジェクトには、日本医師会や日本呼吸器学会による日本COPD対策委員会のほか、GOLD日本委員会、日本医学会に所属する医師らや製薬企業などで構成されています。
 これらの取り組みによって、単にCOPDという病名の認知度が高まるだけではなく、COPDの原因の大半が喫煙であり、COPDの予防と重症化予防には禁煙が基本であることが周知され、成人喫煙率の減少につながることを期待しています。

(参考資料を得ることのできるサイト)

WHO/World World Chronic Obstructive Pulmonary Disease Day (英語)
COPD情報サイト
日本呼吸器学会
厚生労働省「今後の慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予防・早期発見のあり方について」報告書 (平成22年12月22日)
健康日本21(第2次)に関する資料
COPDに関しては、健康日本21 (第2次) の推進に関する参考資料のpp.58-62を参照して下さい

平成24年11月2日
公益社団法人日本WHO協会
理事 大島 明