敗血症
重要事項
- 敗血症は感染に対する症候性の反応であり、往々にして感染症によって死亡に至る最終段階でたどる経過となります。
- 敗血症によって全世界がどれだけの負担をしているかを確定することは困難ですが、最近の科学的発表では、2017年には世界中で4890万人が敗血症となり、うち1100万人が敗血症で死亡しました。これは全世界の死亡のほぼ20%を占めていると推定されていま
す[1]。 - 2017年には全世界の敗血症症例のほぼ半数は小児で、推定2000万例が、また5歳未満の小児で見ると290万例が死亡しました[1]
- 敗血症の発生率と死亡率には、著しい地域間格差があります。世界の敗血症症例と敗血症による死亡の約85.0%が低・中所得国で発生しました[1]
- 敗血症は、地域社会、医療施設の両方で生じうる感染症の臨床的な状況です。医療に伴う感染は、有害事象として最も頻度が高いものではありませんがその1つとして、毎年世界中で何億人もの患者が罹患しています[2]。これら感染症は抗生物質に耐性を持つことが多いため、急速に臨床状態の悪化を引き起こすことがあります。
[1] Rudd KE, Johnson SC, Agesa KM, Shackelford KA, Tsoi D, Kievlan DR, et al. Global, regional, and national sepsis incidence and mortality, 1990-2017: analysis for the Global Burden of Disease Study. Lancet (London, England). 2020;395(10219):200-11.
[2] World Health Organization. WHO Report on the burden of endemic health care-associated infection worldwide. 2017-11-21 15:11:22 2011.
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文章は、日本WHO協会がWHOのメディアセンターより発信されているファクトシートのキーファクト部分について、2014年3月にWHO本部より付与された翻訳権に基づき作成したものです。ファクトシートには、訳出部分以外にも当該案件に関する基本的情報や詳細情報へのリンク先などが示されていますし、また最新事情に合わせて頻繁に見直しが行われますので、更新日時の確認を含めWHOホームページでの原文をご確認ください。