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WHO:インドに「伝統医学グローバルセンター」を設立

WHOとインド政府は、「WHO伝統医学グローバルセンター」の設立に向けた協定に署名しました。 インド政府からの 2 億 5000 万米ドルの投資によって支援されるこの伝統医学のためのナレッジセンターは、現代科学技術によって世界中の伝統医学の潜在能力を活用し、人々と地球の健康を向上させることを目的としています。

世界人口の約 80 % が伝統医学を利用していると推定されています。 伝統医学とは、先住民やさまざまの文化を持つ人々が、健康を維持し、身体的 ・ 精神的疾患を予防 ・ 診断 ・ 治療するために長い間用いてきた知識、技術、慣習の総体を表します。 その範囲は、現代医学と同様に、鍼治療、アーユルヴェーダ医学、薬草混合物などの古くからの実践を含んでいます。

現在使用されている医薬品の約 40 % が天然由来です。 例えば、アスピリンの発見にはヤナギの樹皮を使った伝統的な製剤が用いられ、避妊薬のピルは山芋の根から開発され、小児がんの治療にはシソ科の植物が用いられてきました。 ノーベル賞を受賞したマラリア治療薬アルテミシニンの研究は、中国古代の医学書を見直すところから始まりました。

伝統医学の研究方法が急速に近代化されています。 人工知能は現在、伝統医学の成果とトレンドをマップ化し、天然物の薬物動態特性をスクリーニングするために使用されています。 機能的磁気共鳴画像は、脳活動や、ストレスの多い時代に、心の健康と幸福のための瞑想やヨガなどの伝統医学療法によるリラックス反応の研究に使用されています。

このセンターは、伝統医学の実践と製品に関する政策や基準のためのしっかりとした基盤を構築し、各国が伝統医学を自国の保健制度に適切に統合し、その品質と安全性を規制できるよう支援することに重点を置くことになります。

記事の詳細はWHOのウエブサイトをご覧ください。

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