脳と中枢神経系は人体の司令塔であり、意識と無意識の両方の身体機能を制御することで、生活のあらゆる側面に影響を及ぼしています。 脳が病気やその他の要因で障害を受けると、個人の健康や幸福だけでなく、世界の発展や生産性にも重大な影響を及ぼすことになります。
3 人に 1 人が人生のある時点で神経障害を発症すると言われており、神経障害は障がいの原因の第 1 位、死亡原因の第 2 位となっています。
WHOの新しいポジションペーパーは、脳の健康を理解するためのフレームワークと、すべての人のための脳の健康最適化の重要性を提示しています。 脳の健康とは、認知、感覚、社会・感情、行動、運動の各領域において脳が機能している状態であり、障がいの有無にかかわらず、人が生涯を通じてその潜在能力を十分に発揮できる状態と定義することができます。
脳の健康に影響を及ぼす決定要因は数多く知られており、本ポジションペーパーでは、以下の決定要因について考察しています。
- 身体の健康
- 健康的な環境
- 安全・安心
- 学習と社会とのつながり
- 質の高いサービスへのアクセス
※ ポジションペーパー :「立場表明書」の意味。あるトラブルが発生した時、その事態の発生から直近に至るまでの経緯を時系列にまとめた報告書。 これによって、当該事態に至る要因を把握できる。