WHO の新たな報告書によると、世界的な麻疹ワクチン予防接種の取り組みにより、2000年から2024年の間に麻疹による死亡者数は 88 % 減少し、約 5,900 万人の命が救われました。
しかし、2024年には、主に 5 歳未満の子どもを中心に推定 95,000 人が麻疹で亡くなりました。 これは2000年以降で記録された年間死亡者数としては最低です。 麻疹による死亡者数は減少しているものの、感染者数は世界的に急増しており、2024年には推定 1,100 万件の感染が確認されました。 これはパンデミック前の2019年と比較して約 80 万件の増加となります。
WHO / ユニセフの推計によると、2024年には、麻疹ワクチンの 1 回目の接種を受けた子どもは推定 84 % でしたが、2 回目の接種を受けた子どもはわずか 76 % でした。 WHO の指針では、感染の阻止と地域社会をアウトブレイクから守るためには、少なくとも 95 % の 2 回接種率が必要とされています。
2024年においても、3,000 万人以上の子どもが麻疹に対する十分な予防接種を受けていません。 その 4 分の 3 はアフリカ地域および東地中海地域に居住しており、脆弱な状況や紛争の影響を受けた環境、あるいは脆弱な環境下で生活しているケースが多く見られます。
効果が高く低コストのワクチンで予防できる病気による感染 ･ 死亡は、決して容認できるものではありません。
今回、同時に発表された「予防接種アジェンダ 2030 (IA2030) 」中間レビューでは、ワクチン接種率が低下すると麻疹が最初に再流行する疾患であることが強調されています。 麻疹の根絶を達成するには、すべての子どもが麻疹ワクチンを 2 回接種し、サーベイランスシステムによって発生を迅速に検知できるよう、強力な政治的コミットメントと継続的な投資が必要です。
