ヒトT細胞白血病ウイルス (HTLV-1) への取り組みに公衆衛生の観点から注意を喚起するため、WHOは、技術報告書、ファクトシートおよび会議報告を発表しました。
HTLV-1は、人間に慢性的な生涯感染を引き起こすレトロウイルスです。その感染は、授乳、性的接触、輸血を通して起こり、HIVウイルスに似ています。
これら臨床症候群の中で最も一般的なものは、成人T細胞白血病 (ATL) とHTLV-1関連脊髄症 (HAM) または熱帯性痙性麻痺 (TSP) です。
HTLV-1感染者の総数は、2012年時点で500万人から1,000万人と推定されており、日本、オーストラリア、太平洋諸島の一部では特に有病率が高くなっていいます。
技術報告書では、各国における従来からの取り組みに組み入れることができるアプローチとして、出生前ケアとしてHTLV-1検査、母乳育児の中止、輸血診療所での血液検査、その他予防対策としてコンドームの普及について概説しています。
この活動は、国際がん研究機関 (IARC) とWHO西太平洋地域事務局 (WPRO) が主導し、日本から国立国際医療研究センターや洛和会ヘルスケアセンターが参加しています。