「関西グローバルヘルス(KGH)の集い」オンラインセミナー第2弾
「ポスト・コロナ時代の保健医療」
(Healthcare in the Post Corona Era)
2020年5月 – 7月まで、オンラインセミナー「新型コロナウイルス感染症とSDGs」において、多くの皆さま方のご参加を得て、実施いたしました。
その第2弾として、「ポスト・コロナ時代の保健医療」に思いを馳せ、この四半世紀の間に築きあげてきたグローバルヘルスに関する理念を掘り下げてみることにしました。
【第13回関西グローバルヘルスの集い】 (YouTubeストリーム配信)
とき : 2020年11月11日 (水) 19 : 00 – 20 : 30
内容 : 「健康ってなぁに? : ヘルスとウェルビーイングの原点を探る」
- 『等身大の〈わたし〉からみたヘルスとウェルビーイング』 熊谷晋一郎さん (東京大学先端科学技術研究センター)
- 『医療人類学からみたヘルスとウェルビーイング』 池田光穂さん (大阪大学COデザインセンター)
- 《ミニ ・ パネルディスカッション》 ファシリテーター : 中村安秀さん (日本WHO協会、甲南女子大学)
参加方法;申込みフォームからお申込み下さい。
(問合せ先);メールでお問合せ下さい。 kansai.gh.tsudoi@gmail.com
【オンラインセミナー第2弾 : 全体の趣旨】
WHOが2020年1月30日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態 (PHEIC)」を宣言してからの200日あまりの間に、世界の景色は一変しました。ただ、新しいウイルスと人類の長い歴史をひも解いてみると、現在の状況がいつまでも続くはずはありません。ウイルスと人類が共存するかたちはさまざまです。しかし、インフルエンザの流行時にも世界中の空港が閉鎖されることがないように、人々の暮らしや生活の一部として感染症対策が実施されることでしょう。
そのようなポスト・コロナ時代の保健医療のあり方は、単に元に戻すだけでいいのでしょうかというのが、私たちの問いかけです。今回は「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」による「新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 」でしたが、このような新興感染症は1970年以降すくなくとも30以上が発生しているといわれています。また、新しい感染症が勃発するたびに、同じように閉じこもり、人と人の接触を極端に減らす生活を強いられるのでしょうか?
日本では多くの自然災害を経験し、それを乗り越えてきた歴史的な知恵と経験を有しています。自然災害からの復興で学んだことは「災害前よりもいいものを創りあげるのだ」 (ビルド・バック・ベター!) という前向きの姿勢です。新しい感染症にも対処できる、しなやかで強靭な (レジリエンス) 医療のかたちを早急に準備しておく必要があります。
まさに、いまこそグローバルヘルスで培ってきた国際保健医療の経験と知恵の出番です。日本モデルを提供するといった形の一方向の国際協力ではなく、アジアやアフリカの国々の取り組みからも謙虚に学びながら、世界の過去の経験も明らかにして、成功体験は惜しみなく共有し、失敗を糧にして同じ轍を踏まないように注意しあう。専門分野や国境を越え、市民や研究者が混然一体となった学びの場がいま必要とされています。
わたしたちは、世界の保健医療関係者がこの四半世紀の間に築きあげてきた保健医療に関する理念のなかに、未来をひも解くカギがあるのではないかと思いました。
「プライマリヘルスケア (PHC) 」(1978年 : アルマアタ宣言)
「ユニバーサル・ヘルス・カバレージ (UHC) 」 (2015年 : 持続可能な開発目標)
「Health and well-being」 (1946年 : 世界保健機関(WHO) 憲章前文)
このシリーズは、これらの理念を深く掘り下げることにより、ポスト・コロナ時代の医療のあり方について、議論していきたいと思います。
皆さま方の積極的なご参加をこころからお待ちしています。