2020年11月 1日 – 3日に、グローバルヘルスに関連する4つの学会が日本で初めて合同して開催する「グローバルヘルス合同大会2020」が全面オンラインで開催されました。第61回日本熱帯医学会 (金子 明大会長 : 大阪市立大学) 、第24回日本渡航医学会 (南谷かおり大会長 : りんくう総合医療センター) 、第5回国際臨床医学会 (中田 研大会長 : 大阪大学) とともに、私も第35回日本国際保健医療学会の大会長として主催させていただきました。
おかげさまで、8つの基調講演、2つの4学会合同イベント、22のシンポジウム、5つのランチョンセミナー、多くの口頭発表やポスター発表が行われ、1,400名を超える方々にご参加いただきました。ご参加いただいた多くの方々に、この場をお借りして感謝申しあげます。
基調講演では、葛西健氏WPRO地域事務局長に「アジア太平洋地域の新型コロナウイルス感染症の現状とCOVID-19の大流行に対するWPROの役割」のご講演をいただきました。また、WHOユニバーサル ・ ヘルス ・ カバレージ (UHC) 親善大使の武見敬三参議院議員の「ウィズ ・ コロナ時代のユニバーサル ・ ヘルス ・ カバレージ」の基調講演を日本WHO協会副理事長の更家悠介氏に座長を務めていただきました。また、日本セルフケア推進協議会のランチョンセミナーでは、近藤達也Medical Excellence Japan理事長から「世界が求める医療の国際展開」について講演をいただきました。シンポジウム「ポスト ・ コロナの保健医療のあり方」、シンポジウム「私たちはどこに向かうのか-医学生のCOVID-19への対応 ・ 順応 ・ 応答」などにおいて、「関西グローバルヘルスの集い」や「目で見るWHO」編集委員の皆さんが大活躍していました。
この合同大会では、グローバルヘルスに関する国際的な協力 ・ 交流を積極的に推進すべきであるとの立場から「大阪宣言」を発出しました。
感染症に国境はありません。パンデミック (世界的大流行) になったCOVID-19は、もはや自国だけで解決することは困難です。仮に日本国内で感染を終息させることに成功しても、地球上に大きな流行地がある限り、感染対策を継続する必要があるからです。「いまこそ、国際保健医療協力の質と量を拡充し、研究調査と実践活動の両面からグローバルヘルスに関する国際的な協力・交流を積極的に推進すべきである」という大阪宣言のメッセージを今後も広げていきたいと考えています。
皆様方のご理解とご指導のほど、何とぞよろしくお願いします。
理事長 中村安秀