日本WHO協会からのお知らせ

2021年8月

1964年10月の東京オリンピックのときは、私は中学 1 年生でした。マラソンのはだしの走者アベベ (エチオピア) 、男子 100 m の黒い弾丸ボブ ・ ヘイズ (アメリカ合衆国) 、女子体操の名花チャスラフスカ (チェコスロバキア) 、柔道無差別級の巨人ヘーシンク (オランダ) などなど。中学生だった当時、鮮明に記憶に残っているのは、「より速く、より高く、より強く」を体現した海外選手たちの姿でした。

2021年 7月、まだまだ日本を含めた世界中がCOVID-19に振り回されているなかで、開催された東京オリンピック ・ パラリンピック。現在、ロックダウン中の国もあり、ほとんどワクチン接種が進んでいない国も少なくありません。そういう厳しい状況のなかで、多くの国や地域の選手たちがTOKYOに集結してくれたことが大きな驚きでした。

新聞やテレビをみるかぎり、毎日のように日本人選手の活躍ばかりが報道されています。コロナ禍で日本まで来てくれた海外の選手たちのすばらしさや思いに触れる機会がほとんどないことに愕然としています。グローバル時代といっていた掛け声は、どこにかき消されたのだろう? 東京五輪の開催に反対か賛成かの議論も含めて、地球社会の一員として、きちんと議論し発信しなければいけないことが多くあることを改めて確認した次第です。

さて、『保健の科学2021年7月号』において、「プラネタリー ・ ヘルスという新たな視座」という特集を企画・執筆させていただきました。2020年以降、日本WHO協会では「関西グローバルヘルスの集い (KGH) 」という国際オンライン ・ セミナーを毎月のように開催してきました。世界各国の方々と交流するなかで、国際保健医療の世界でプラネタリー・ヘルスという新しい発想に注目が集まっていることを知りました。

『保健の科学』では、京都大学前総長の山極壽一先生をはじめ、すばらしい方々にご執筆いただき、ポスト ・ コロナ時代の私たちの社会に対する大きな示唆をいただくことができました。

COVID-19が私たちの世界に与えた衝撃を真摯に受け止めたとき、復興の理念のひとつは間違いなくプラネタリー ・ ヘルスではないかと考えています。関心ある方は、ホームページで目次だけでもご覧いただけるとうれしいです。

http://shop.kyorin-shoin.co.jp/shopdetail/000000000688

今後とも、何とぞよろしくお願いします。

公益社団法人 日本WHO協会

理事長  中村安秀

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