新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) により、日本に在住する外国人の医療ニーズは高まっています。
2月21日 – 22日、滋賀県大津市にある全国市町村国際文化研修所 (JIAM) において「外国人が安心して医療を受けられるための環境整備」という 2 日間の研修が行われました。 オミクロン株の流行のため、本年度は完全なオンライン研修でした。 全国の国際交流協会などから参加者が集まり、全国のどの地域においても、外国人医療は喫緊に解決すべき課題となっていることを実感しました。
思えば、COVID-19パンデミック直前の2019年は、日本列島の外国人交流の歴史において画期的な年でした。 過去最高の在留外国人数 293 万人と訪日外国人数 3,188 万人を記録しました。ご存じのように訪日外国人数は 99 % も減りましたが、在留外国人数はわずか 4 % の減少にすぎません。 医療現場の視点からは、英語圏や中国語圏だけではなく、ベトナム、ネパール、インドネシアなど外国人の多国籍化や多言語化が大きな特徴です。
経済協力開発機構 (OECD) の2019年の移民データベースによると、日本は、ドイツ、米国、スペインについで世界第 4 位の移民大国になっています。英国やフランスやカナダよりも多くの移民を受け入れているのです。
厚生労働省もさまざまな施策を展開しています。 国際臨床医学会は2020年 3月に「医療通訳士」認証制度を開始し、2022年 1月現在、10 言語 176 名の医療通訳士が認定されています。 それでも、まだまだ不十分です。 外国人が安心して医療を受けるために、外国人の方々のニーズに耳を傾け、外国人とともに、国、地方自治体、民間企業、NGO / NPOなどが協働する必要があります。
日本WHO協会としても、SDGs目標 10「人や国の不平等をなくそう」をめざして、外国人の健康課題に取り組んでいきます。 すでに多くの団体や個人が先駆的な活動をされているので、先達の経験と知恵に学びながら進めていきたいと考えています。 皆さま方のお世話になることも多くなると思いますが、何とぞよろしくお願いします。
今後とも、日本WHO協会の活動にご支援ご協力のほど、何とぞよろしくお願いします。
公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀