日本WHO協会からのお知らせ

2023年10月 : 対面で議論することの大切さ

9月30日に、グローバルカフェ「戦争と平和とみんなで考える」を大阪市内で対面開催しました。 土曜日の午後という時間帯が作用し、おかげさまで、佐賀や金沢など遠方からも参加いただきました。

第二次世界大戦の記憶をもつシニア世代から、ことし入学したばかりの医学部 1 年生まで、文字通り世代を超えた楽しい議論が行われました。 ナン ・ ミャ ・ ケー ・ カインさん (京都精華大学) と私の講演のあと、グループに分かれ模造紙やポスト ・ イットを使って、自由闊達に話し合いました。 ワークショップのグランドルールは、「相手の発言は終わりまで聞く」、「組織の発言ではなく、自分の考えを自由に述べる」、「大きな風呂敷を広げる」という 3 つだけ。 真剣な発言と、楽し気な笑い声が交錯した時間でした。

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) によるパンデミック直後の2000年 5月から、日本WHO協会では、「関西グローバルヘルスの集い (KGH) 」オンライン ・ セミナーを精力的に定期開催してきました。 多い時には 1 回のセミナーに 700 名を越す参加申込者が集まり、海外からの視聴者も少なくありませんでした。 まさに、オンラインがなければ実現しなかった、国境を超えたつながりでした。

一方、今回の対面でのワークショップ開催で、顔を合わせ、身体を向きあい、時には雑談を挟み言葉を交わすことの大切さを再認識しました。 五感を働かせながら、相手の言いたいことの真意を図りながら、自分の意見を編み出していく。 考えがまとまらず、ぼーっとしている時間もあるけれど、その一見無駄のようにみえる時間帯もまた、思考が熟成するための豊かな時間なのかもしれません。

オンラインによる効率的で迅速な情報提供や意見交換とともに、対面による豊かな議論が醸し出す出会いと学びの場を提供していきたいと痛感しました。

グローバルカフェに参加いただいたすべての方々、周到な準備にご尽力いただいた「関西グローバルヘルスの集い (KGH) 」のメンバーに感謝いたします。 今後、感染症対策に配慮しながらも、対面で議論できる機会を増やしていきたいと思いますので、より多くの皆さまと出会えることを期待しています。

公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀

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