日本WHO協会からのお知らせ

2023年5月 : スーダンの人々に平和が訪れますように!

川原尚行さん(認定NPO法人ロシナンテス理事長)がスーダンから無事に帰国したというニュースを聞いて、心から安心しました。 川原さんには、『目で見るWHO』2023年春号に「TICAD 8 サイドイベント:『母子健康手帳と情報のデジタル化についての開催報告』を金子聰さん(長崎大学教授)と一緒に執筆していただいたばかりでした。

2012年 3月11日、私は東日本大震災の翌年の在スーダン日本大使館の東日本大震災追悼式典に参加しました。 ハルツームの夜空に、アラビア語で朗々と謳いあげる追悼の詩吟が響きわたります。 そして、東日本大震災のニュースを聞いて、自発的に学校の内外で募金活動を行ったスーダンの高校生のスピーチ。 被災の甚大さに衝撃を受け、自分たちで活動を始めたことを淡々と話してくれました。 その共感(empathy)と連帯(solidarity)のこころざしに思わず眼がしらが熱くなりました。

あのときの彼女たち・彼らはいまどうしているのだろう? いま軍部の内部抗争の戦火のなかで、市井のスーダンの人々の無事を願わずにはいられません。

第二次世界大戦直後の1948年に発効したWHO憲章には次のように書かれていました。

「世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎であり、その成否は、個人と国家の全面的な協力が得られるかどうかにかかっています。」

ベトナム戦争終結の 3 年後の1978年の「プライマリヘルスケア国際会議」で採択されたアルマアタ宣言には、次のように書かれていました。

「人々の健康を増進し、守っていくことは、持続的な経済と社会の発展に不可欠であるとともに、より良い生活の質と世界平和に貢献することです。」

いずれも、世界を震撼させた大きな戦争が終わったときに、健康を守ることが世界平和につながると祈りにも似た気持ちで国際社会が認(したた)めた貴重な文書です。 国際間の協調が実施され、国内での紛争が落ち着き、スーダンの人々が健康と平和を享受できることを祈らずにはいられません!

公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀

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