2024年 5月 9日 (木) 、10日 (金) に、フィリピン ・ マニラで「第 14 回 母子手帳国際会議」を開催します。 今回は、フィリピン共和国 ・ カラバルソン州における母子保健に関する 第 1 回 地域会議と組み合わせての 第 14 回 母子手帳国際会議となります。 かつては、ケニア (2012年) やカメルーン (2015年) のように保健省が国の威信をかけて国際会議を開催していました。 しかし、すでに母子手帳が日常的に使われている国も増えるなかで、今回は地方自治体が主催する地域会議に国際会議が連動するという、はじめての試みとなります。
「だれひとり取り残されない」母子手帳が今まで以上に世界各地で受け入れてもらうためには、中央政府の意向による普及だけでなく、プライマリヘルスケア (PHC) でも謳われた地域の自立と自己決定権が必要になってきます。 カラバルソン州が保健省の協力を得て、会場設営やフィリピン側母子保健医療者200人の参加者に対する旅費宿泊予算を獲得し、鋭意準備をすすめてきたことを大変うれしく思います。 主催はカラバルソン州保健局、共催がフィリピン大学と私が代表を務める国際母子手帳委員会です。 日本WHO協会も後援しています。
会議のテーマは「Safe Beginnings (人生の安全なスタート) 」。妊娠中の期間 (270日) と子どもが生まれてから 2 歳までの期間 (365 × 2 = 730日) を合わせ、「人生最初の1,000日」といいます。この「人生最初の1,000日」に、助産師、産科医、看護師、保健師、小児科医、栄養士など多くの職種の医療者が関わります。 保健医療ケアの内容も、妊娠中の健診、分娩介助者による出産、出産後の新生児ケア、母乳をはじめとする適切な栄養、予防接種、子どもの定期健診など多岐にわたります。 また、両親だけでなく、祖父母などが治療やケアに関わることも多く、伝統的な慣習や文化の影響を色濃く受ける時期でもあります。 フィリピンをはじめとして世界中の子どもたちが「人生最初の1,000日」を安全にスタートできるために、母子手帳が大きな役割を果たせるはず。各国から参集する参加者の思いを乗せて、母子手帳国際会議の幕が開きます。
2024年 5月 9日 (木) 日本時間 10 : 00 – 18 : 00
開会式、基調講演、母子手帳各国の経験 (インドネシア、タイ、アンゴラなど)
5月10日 (金) 日本時間 15 : 00 – 18 : 00
母子保健ケア (デジタル母子手帳、リトルベビーハンドブックなど) 、閉会式
ぜひ、下記のURLから登録していただき、会議の一部でもいいので、世界各地のお国柄が偲ばれる母子手帳ワールドの魅力に触れていただけると幸いです (言語は英語で、日本語通訳はありませんが、よろしくお願いします。)
https://rb.gy/tjuhib
公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀