日本WHO協会からのお知らせ

2024年4月 : わたしの健康、わたしの権利

2024年の世界保健デーのテーマは「My health, my right (私の健康、わたしの権利)」。
2024年 4月 7日 (日) 14 : 00 – 16 : 30 に、大阪商工会議所 7 F 国際会議ホールで日本WHO協会「世界保健デー 2024 祝祭イベント」を開催します。

「My health, my right」という言葉を聞いて、真っ先に思い出したのは、1996年にハーバード大学公衆衛生大学院で学んでいた時のジョナサン ・ マン 先生の講義でした。
彼はWHOエイズ ・ グローバルプログラムの責任者でしたが、WHO執行部と喧嘩別れする形で、ハーバード大学でFrancois-Xavier Bagnoud Center for Health and Human Rights (FXB健康 ・ 人権センター) を立ち上げたところでした。健康は人権問題である、同時に人権は健康に深くかかわる課題であり、人権侵害は健康に悪影響を及ぼすので、健康と人権の連関を科学的に実証するのが私たちの使命だと熱く語っていました。
ホームページを拝見すると、ウクライナ、ガザ、アメリカ国内の移民の子どもなど、紛争、災害、差別、貧困による不公正を直視し、子どもたちに特別な配慮をしながら、すべての人々の人権を実現する世界をめざしています。

「My health, my right」という言葉を聞いて、やるせない思いをしたのは、ガザの母親と子どもたちでした。2023年 6月に、日本による国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)支援 70 周年と、母子手帳の導入 15 周年を記念したイベントが開催され、日本WHO協会も後援しました。 パレスチナのお母さんと日本のお母さん 5 名をオンラインで繋いで、母子手帳をもっていることを話題のきっかけとして子育てに関する意見交流が行われました。 子どものお気に入りの遊びなど、同世代のお母さんたち同士の会話の話題は世界共有で、お互いの笑いが絶えませんでした ・ ・ ・ ・ ・ (ガザのニュースを聞くたびに、この記念イベントのことを切なく想い出しています) 。

いま、ガザでは、8,000 人の子どもを含む 2 万人以上のパレスチナ人が殺され、多くの医療施設が攻撃の対象となっています。 2024年 3月末に来日した UNRWA (国連パレスチナ難民救済事業機関) のラザリーニ事務局長と国会議員会館でお目にかかりました。 極度の食料不足のため、子どもたちをはじめガザの一般市民は深刻な飢餓状態に陥っているとのことでした。「健康と人権」という立場からも、UNRWA に対する資金拠出が再開され、平和につながる最初の一歩としての停戦が実現することを心から希望しています。

「世界保健デー 2024」では、ガザに何度も足を運んだ桑山紀彦さんによる、ライブ音楽と大画面の映像を組み合わせた、地球のステージの熱演もあります。
みんなで、「My health, my right」を考える機会になることを期待しています。

公益社団法人 日本WHO協会

理事長 中村安秀

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