日本WHO協会からのお知らせ

2024年6月 : 進化し続ける母子手帳

2024年 5月 9日 ・ 10日と、フィリピン ・ マニラで開催された「第 14 回 母子手帳国際会議」に参加しました。私は、DEI (Diversity, Equity, and Inclusion) の原則を保健医療ケアのなかに取り入れることができるすばらしいツールとしての日本の母子手帳の経験を話すなかで、多様性に富んだサブブックが新たにつくられている現状を紹介しました。

  • 外国語版母子手帳 : 母子衛生研究会から 10 か国語版が出版され、外国人母親のために無料配布している自治体もある
  • リトルベビーハンドブック : 主に出生時体重が 1,500 g 未満の子どもを対象にしたサブブック。 ほとんどの都道府県で配布され、静岡県版は多言語版もホームページで入手できる
  • ふたご手帖 : 多胎の妊娠 ・ 出産 ・ 育児の情報が書かれており、市区町村で作成 ・ 配布
  • + Happy しあわせのたね : ダウン症やその他の染色体が起因による障がいのある子どもの家族が前向きに子育てできるように優しく寄り添う (日本ダウン症協会)

海外からは、新しい試みとして、デジタルと紙の母子手帳の共生への試みが各地で展開されていました。 ケニアでは、紙の母子手帳に書かれた情報をスマートフォンで撮影するとすぐにデジタル化できる母子手帳の開発に取り組んでいました。 タイでは、従来から普及している 5 歳までの母子手帳 (ピンク ・ ブック) に加え、学齢期、就労、60 歳以上の高齢という、ゆりかごから墓場までの健康アプリの開発に乗り出していました。
各国の母子手帳の進化のスピードは速いです。 母子手帳発祥の国としても、デジタル母子手帳に正面から取り組む必要性があることを痛感しました。

母子手帳国際会議の様子は、下記のホームページから見ることができます。
https://conference.mchhandbook.com/

なお、母子手帳国際会議の開催にあたり、JICA (国際協力機構) 、興和株式会社、カネソン株式会社、NPO 法人ひまわりの会、NPO 法人 HANDS から、多大なご支援をいただきました。 この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

公益社団法人 日本WHO協会

理事長 中村安秀

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