明けましておめでとうございます!
昨年は、『目で見る WHO』、『グローバルヘルスの集い』、ワン ・ ワールド ・ フェスティバル参加、世界保健デー開催などの活動に加え、JANPIA (日本民間公益活動連携機構) の資金分配団体としての事業申請が採択されました。 皆さま方にご支援とご協力をいただき、おかげさまで充実した 1 年となりました。 本年も、さまざまな活動を行っていきますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申しあげます。
2024年の WHO 世界健康デーのテーマは「My health, my right (わたしの健康、わたしの権利) 」でした。 WHO は、「紛争は人々の生活に壊滅的な打撃を与え、死や痛み、飢え、精神的苦痛をもたらしている」と警告しています。
2024年11月21日に日本 WHO 協会オンラインセミナー第 9 弾『わたしの健康、わたしの権利』で講演していただいた、国際連合パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA) 保健医療局長の清田明宏医師の「ガザの危機は人災である」の録画が公開されました。
ガザにおける人々の暮らし、終わりのない避難生活、いままで誰も見たことがないような人道危機、そのなかで粛々と実施されたポリオワクチン一斉投与の様子。 清田先生がご自身で撮影された映像を駆使して、日本の報道では知ることのできないガザの実情を伝えていただきました。
講演の最後に、爆撃を受け、膝上切断により両足を失ったにもかかわらず、明るいエネルギーを発する同僚の姿が紹介されました。「希望こそが回復への原動力」というメッセージは、私たちの心に未来志向の光を灯していただきました。
清田さんからも、ガザの厳しい現状を多くの方に知っていただきたいとのことでした。 下記のホームページを、関心ある方々にお届けいただけると幸いです。
清田明宏さん (UNRWA 保健医療局長) の講演
『ガザの危機は人災である』 (28分59秒の動画です)
1948年 4月 7日に発効した WHO 憲章前文の言葉が痛切に思い出されます。
「世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎であり、その成否は、個人と国家の全面的な協力が得られるかどうかにかかっています。」
第二次世界大戦の直後、世界各国が平和と健康を切望し、その実現に向けて努力した到達点として凝縮された言葉です。 昨年は、ウクライナ、ガザだけでなく、スーダン、ミャンマーなど世界各地で戦乱と紛争が拡大して、おさまる気配がありませんでした。 一方、核兵器のない世界を実現するための努力などに対して、2024年ノーベル平和賞を日本被団協が受賞したことは、未来への希望につながるうれしい出来事でした。
ことしこそは、健康は平和の礎であり、平和は健康の源であることを、世界の多くの人たちが実感できる年になりますように、祈らずにはいられません。
公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀