日本WHO協会からのお知らせ

2025年5月 : 「健やかなはじまり」に、縄文のビーナスを想う

2025年のWHO世界健康デーのテーマは、「Healthy beginnings, hopeful futures (健やかなはじまり、希望のある未来へ) 」。 日本 WHO 協会では、「世界健康デー 2025」イベントを 4月 7日に、大阪商工会議所 ・ 国際会議ホールで開催しました。 アドバイザリー ・ グループの方々からのご挨拶、動画募集の受賞者の方々の表彰と魅力的な受賞作品の上映に引き続き、山本尚子さん (国際医療福祉大学副学長) 、和田和子さん (大阪母子医療センター副院長) にご登壇いただき「健やかなはじまり、希望のある未来へ」に関するパネル ・ ディスカッションが行われました。 国内外の妊産婦と新生児のいのちと健康に思いを馳せる貴重な時間となりました。 協賛いただいた団体 ・ 企業、後援いただいた機関 ・ 団体に厚く感謝申しあげます。

日本 WHO 協会は、2024年までは「世界保健デー 」という名称を使っていましたが、医療者だけでなく、市民の方にも参加いただき、みんなで「健康」について考える一日にしたいと考え、2025年から名称を「世界健康デー 」に変更しました。 これからも、母と子のいのちと健康に関する課題を当事者と医療者だけの責任にせず、広く市民の方々といっしょに社会全体で取り組んでいきたいと考えています。

「世界健康デー 2025」の会場での発表を聴きながら、2024年10月に訪問した長野県茅野市の尖石 (とがりいし) 縄文考古館の土偶「縄文のビーナス」を想い出していました。 いまから4 – 5千年前の縄文時代中期の高さ 27 センチの国宝の土偶です。 大きなお腹と張り出したお尻が特徴的な妊娠女性の存在感に圧倒されます。 個人的には、新しい生命を生み出す豊穣なる女性への賛美と、妊娠 ・ 出産を無事にすごせるようにと祈る気持ちが表現されているように感じました。 妊娠や出産という人生の節目の大事業を前にして、「健やかなはじまり、希望のある未来へ」を冀 (こいねが) う気持ちは、縄文時代から変わりはないのかもしれません。

さて、2025年の東京新聞では、「きょうは何の日 世界健康デー 4月 7日」と報道され、「世界中の人々の健康増進を目的に世界保健機関 (WHO) が設立された日を記念して制定」と解説していました。 2026年には、「4月 7日は世界健康デー」であることをより多くの方々に知っていただき、社会全体で「健康」について考える日となるよう、チャレンジしていきます。

公益社団法人 日本WHO協会

理事長 中村安秀

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