日本WHO協会からのお知らせ

2025年7月 : 50 年後の未来を見つめる!

6月22日 (日) に EXPO 2025 大阪 ・ 関西万博において、一般社団法人日本セルフケア推進協議会 (JSPA) が主催するイベント「セルフケアとプラネタリーヘルスが共鳴する未来」のオフィシャル ・ パートナーとして日本 WHO 協会が参画しました。 万博会場内「フューチャーライフヴィレッジ 特設ステージ」の約 40 名が入る会場は満員。 多くの方々にご参加いただき、本当にありがとうございました。

JSPA 三輪芳弘会長のあいさつのあと、広島大学 IDEC 国際連携機構の鹿嶋小緒里さんがプラネタリーヘルスの概要を説明しました。 重富陽介さん (立命館大学理工学部) 、片桐碧海さん (東京科学大学公衆衛生学) 、河合雅俊さん (岐阜県山県市議会議員) 、吉川健太郎さん (京都大学医学研究科) という若手の研究者や実践家が登壇しました。 セルフケアやプライマリヘルスケアの立場から、食品ロスと世代間の相違、清流の里でのサイクリング、生理用品と貧困や地域格差、女性の低栄養が与える長期の影響といった多様性に富んだ話題提供が出されました。

自由討議では、Think Globally, Act Locally (地球を考え、地域で行動する) をテーマに、地球の健康とヒトの健康が身近に関わっていることが話され、最後に登壇者の皆さんが 50 年後の未来に思いを馳せました。

21 世紀の万博ではモノを見せることを競うのではなく、未来に想像力の翼を羽ばたかせることに大きな意義があるのではないかと予想していましたが、おかげさまで、参加者の皆さん方からは、大変高い評価をいただきました。 今後はこのイベントの検証とともに、関係団体を含めた市民の方々への幅広いフィードバックに努めていきたいと思います。

私自身は、50 年後の未来として、「自宅や仕事先で簡単に検査ができ、病気になったら医師や看護師に AI で相談し、地域の薬剤師から医薬品を受け取る。 運動と栄養と睡眠の健康指導者が身近におり、病院よりも健康施設の数が多くなる。 そうすると、都市でも水や木や土を大切にして、トンボやチョウチョが舞うようになるのではないか」と予想しました。 ただ、ガザやウクライナの悲惨な現状を見ると、平和の維持が必須です。 軍備と軍事紛争に消費したお金を使い、地球上の健康の達成をめざしたいと痛切に思います。

50 年後といっても、いまの高校生なら 60 歳代後半です。 決して遠い未来の夢想の物語ではありません。 インターネットや SNS で情報が飛び交う時代になり、つい数年前の新型コロナウイルス感染症で大変だった時期のこともすぐに忘却してしまい、私たちは近視眼的に近未来のことばかりを追いかけてきたのかもしれません。 大阪 ・ 関西万博のイベントを通じて、過去を振り返り、遠い未来を見つめる眼差しを持ち続けることの大切さを痛感しました。

みなさんも、ときにはスマホを脇に置いて、50 年後の未来を見つめてみませんか?

公益社団法人 日本WHO協会

理事長 中村安秀

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