日本WHO協会からのお知らせ

第1回ラオス小児外科国際シンポジウムが開催されました

令和2年度医療技術等国際展開推進事業において日本WHO協会が取り組んでいる事業、「ラオスにおける小児外科卒後研修プログラムの確立」の一環として、2021年1月26日「第1回ラオス小児外科国際シンポジウム~ラオスにおける新生児外科の現況と展望~」がラオス健康科学大学にて開催されました。

ラオス側の出席者はラオスの革命後初代保保健大臣を務めたPonemeke現医学会会長をはじめとして、ラオスで唯一医学部のある健康科学大学の学長Bounthome氏や同大学の副学部長Alongkhone教授、ラオス国立小児病院の院長Sommanikhone氏、ラオス治療局の事務課長Viengsakhone氏、WHOラオス国事務所からは母子保健チームリーダーの窪田祥吾氏など錚々たるメンバーと本事業において小児外科専門医制度の暫定指導医候補者として育成を行っているラオスの小児外科医のVongphet氏、Chaypachan氏、Lyfuxu氏が出席されました。日本側からも本協会理事長中村安秀氏をはじめ、本協会理事の安田直史氏、本事業のプロジェクトリーダーである窪田昭男氏、大阪大学の奥山宏臣教授、兵庫医科大学の大植孝治教授など、こちらも錚々たるメンバーが参加されました。

552【写真】第1回小児外科国際シンポジウム in Lao PDRの様子
前列左から3番目がラオス初代保健大臣であり現医学会会長のPonemek

シンポジウムではラオス側の医師達からはラオスにおける小児外科の現状、実際の症例を元にした現場での問題点、小児外科専門医制度構築の展望が発表され、WHOラオス国事務所からラオスの現状に即したSafe and Affordable Surgeryについて、日本人講師から日本における過去50年の小児外科症例致死率の減少に寄与した因子が発表されました。ディスカッションでは、今後ラオスにおける小児外科の発展のためにまずは出来る事が何か、現行の病院評価のための医療の質基準の策定などが果たす役割などについて、ラオス側から活発な質問や意見交換がなされました。Ponemeke現医学会会長から、熱い激励の言葉を頂くなど、ラオス側の情熱と期待を感じるシンポジウムとなりました。

本事業はラオスで小児外科医専門医制度を構築するための支援を行っています。シンポジウム以外にもオンラインセミナーや症例検討会を実施し、専門医制度で指導者となるラオス人医師の育成を行っています。日本の小児外科専門医制度を踏まえて構築されるラオスの小児外科専門医制度ですが、単なる日本のコピー&ペーストではなく、ラオスの実情を反映したものとなり、ラオスで継続且つ、今後近い未来でラオス独自のものに進化していってもらえることを祈りながら支援を続けていきたいと思っています。

※本事業は、国立研究開発法人国立国際医療研究センターが主体となって実施する厚生労働省補助金による令和2年度医療技術等国際展開推進事業です。

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