サーバイディー ! (※こんにちは)
今日は、ラオスの医療状況について少しご紹介させていただきます。
日本では病気になったら、病院に行って、診断を受けて、必要な治療を受けることができますね。
国民皆保険制度があり、医療費も 70 歳未満は 3 割負担ですみます。
それでも医療費って高いなあと思うこと、多々あるかと思います。
ラオスにはまだまだ健康保険制度が浸透していません。
外科的介入を必要とする多くの患者と家族が日々ラオス国立小児病院の小児外科医のもとを訪れますが、中には経済的理由から治療途中で退院を申し出る家族もいます。
治療費が払えないために、治療にすらたどりつかない家族もいます。
小児外科に限ったことではありませんが、どれだけ助けられる知識や技術があっても、お金がない家庭のこどもには何もすることができないという現実を、毎日目の当たりにするのがラオスの医療者たちです。
また、医療者の中には他国で研修を積んでいる人も少なくはありません。
自国より発展した医療、社会制度の中で研修を受けた医療者は、「自国でなければ救えたかもしれない」という現実をきっと誰よりもわかっているのです。
わかっていながらも、たくさんのどうすることもできないことに直面しながら、日々患者の診療にあたっています。
私はラオスに来たばかりの頃、ラオスの人は死への受容が早いと感じていました。
日本で医療に携わってきた私からすると、諦めが早いとすら感じてしまうこともありました。
しかしこれは諦めが早かったのではなく、生まれた頃から多くの受け入れざるを得ない現実に向き合ってきた故の彼らの強さなのではないかと今は思います。
そんな中で、ラオスの医療をよりよくしたい、と様々な分野で奮闘している医師たちがたくさんいます。
我々は今、そういった医師たちを小児外科という分野からサポートしています。
助けられる命を諦めなくてもいい日がいつかラオスにくることを祈りながら、これからもラオスの人たちと一緒に、今何ができるかを考えていきたいと思っています。
コープチャイドゥー ! (※ありがとうございました ! )
ラオス小児外科プロジェクト
プロジェクトマネージャー ・ 看護師
勝井 由美