1月26日、オンラインセミナー第 6 弾《だれひとり取り残されない外国人医療》第 3 回『医療通訳のしくみづくり』を開催しました。
沢山の方々にご視聴いただき有難うございました。 お陰様で無事盛会のうちに終了することができました。
1.講義資料を掲載いたしますので、ご活用ください。
- 「医療通訳の現状とこれから」( 1.61 MB ) 澤田 真弓 氏 (メディフォン株式会社 代表取締役CEO)
- 「病院で通訳する中で見えてきたこと」( 1.86 MB ) ワキモト 隆子 氏 (三重大学医学部附属病院 医療通訳士)
2.生配信で行われた講義の様子を、2023年3月31日までの限定で見逃し配信をしております。 (見逃し配信期間を終了しました)
3.参加者の方から質問をいただきましたので、講師の先生にお答えいただきました。
(質問 1) 医療通訳の標準時給はどのぐらい定めたらいいですか ? 医療従事者が通訳兼従する場合は、無料ですか ? 件数毎で加算ですか ? 医療通訳者としての加算ですか ? その専門性と特別性はどのように給料上に示せますか ?
【澤田真弓様からのご回答】
当社の場合は 1 ケースごとに稼働いただくことが可能で、1 分あたりの報酬を積み上げ対応分数に応じてお支払いをしております。
【ワキモト隆子様からのご回答】
三重大学病院の医療通訳士の場合、一般職員給与が適用されています。
医療通訳士としての加算はありません。
現状、医療通訳士が正規職員での雇用になるのは枠も限られていますし、
難しいのが現状かと思います。今後、医療通訳通訳が介入する事で保険加算が付くようになれば、医療通訳士の雇用の枠も広がり、待遇面も改善されると思います。
(質問 2) 今後、看護師も病院等で在日外国人の受診やケアに関わることが増えると思います。
医療職 (看護職) として、言語的コミュニケーションが難しい外国人の方へケアを行ううえで、備えておくこと、心構えや準備などのご示唆を教えてください。
【澤田真弓様からのご回答】
第一歩は外国人患者さんは、医療を受けるにあたって異なる常識をお持ちであることを知っていただくことと思います。
医療文化が異なりますので、日本で当たり前に行う検査や処置にとまどう方もいらっしゃることを知っていただくだけでも医療従事者の方々が混乱することが減るかと思いました。
【ワキモト隆子様からのご回答】
- 目線を合わせて会話する。
- フレーズごとに区切って、ややゆっくりした口調で話す。
- 「たぶん大丈夫」「おおきくは問題ない」などのあいまいな表現を避ける
- やさしい日本語を使う (外国人にとってわかりやすい日本語)
- ピクトグラム ・ 絵を上手に活用する
(質問 3) 勤務する病院で通訳をしています。 通訳の際に、医師が言った以外のこと、例えば医師が「皮膚の乾燥に気をつけてください」と言ったときに、「日本の冬はとても乾燥するので」ということを追加するのですが、どうお考えでしょうか。 看護師として、日本の冬に慣れない外国人に対する助言をした方が良いと考えてのことなのですが、実際の場面では、どうされているか教えていただけないでしょうか。「通訳」は足さない、引かない、の原則に医療通訳も倣うべきなのか、という疑問です。 看護師として通訳する以上、医療通訳には当てはまらないこともある、と考えています。
【ワキモト隆子様からのご回答】
医療通訳者は足さない、引かないが原則だと思いますが、現状そうはいかない面に多々出会います。 そんな時は、訳出する前に医師に「日本の冬はとても乾燥しますからね ! 」と伝えて、通訳してもよいですか ? と確認したりします。