日本WHO協会からのお知らせ

2020年3月

2020年2月1日に、大阪市北区で開催されたワン・ワールド・フェスティバルにおいて、パネル・ディスカッション「外国人にとって安全で安心な医療をめざして:いのちを守る医療通訳士・国際看護師の役割」と「WHOインターン報告会」を日本WHO協会として主催いたしました。パネル・ディスカッションは、りんくう総合医療センターを拠点とした医療通訳団体のIMEDIATAとの共催でした。

「日本の病院では、英語があまり通じませんでした。薬をもらったけれど、日本語の説明しかなく不安です。」切り傷で宿泊先近くの病院を受診した訪日外国人のことばです。軽い病気でも心配なのですから、長く日本で暮らす外国人が心臓病やがんなどにかかったときの不安は大きいです。いま、外国人にとって安全で安心な医療が求められています。

そのためには、言葉の専門職である医療通訳士や異文化に精通した国際看護師などが必要です。このイベントでは、すでに関西において異文化対応・多言語対応の現場で活躍されてきた方々が集まり、外国人のいのちを守る関西発のイノベーションを議論しました。

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行がとまりません。WHOでは刻々と変化する世界中の最新情報が毎日更新されています。日本WHO協会のホームページにおいて、WHOの情報を見やすいように簡単な日本語の案内をつけてまとめてあります。新型コロナウイルスから身を守る基本的な方法については、日本語の翻訳も行っています。ぜひご覧ください。

一方、コロナウイルスの情報に隠れてしまい、あまり報道されませんでしたが、WHOが決めた2020年の世界保健デーのテーマは「看護師と助産師を支援する」。実は、日本国内の多くの病院のホームページにおいては、新型コロナウイルスに関する情報よりも、糖尿病やがんなどの病気に対するアクセスのほうが断然に高いです。あたりまえのことですが、コロナウイルス感染症以外のいろんな病気や健康のことが気になる人が絶対的に多数派なのです。こういう時だからこそ、いまいちど、看護職の方々が地道に提供してきた日常の保健医療ケアの大切さを再認識したい。

理事長 中村安秀

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