日本WHO協会からのお知らせ

2020年8月

毎日のように、全国各地で過去最高の感染者数のニュースが駆けめぐっています。いま、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) が増えているのは、日本だけではありません。世界中で、感染者数が激増しています。WHOによれば、8月2日現在で、感染者数1766万人、死亡者数68万人。うち、アメリカ大陸36万人、欧州21万人の2地域だけで世界の84%を占めています。アメリカ合衆国、ブラジル、インド、南アフリカでは、毎日1万人以上の新規感染者が報告されています。多くの国で感染による社会的な対立も報じられていますが、それらの国の医療者たちに聞くと、市民から温かい励ましの声をかけられるといいます。

英国で、厳しい外出制限のなかでバルコニーから響く拍手の音、「Clap for Carers (医療・介護従事者に拍手を) 」というキャンペーンが醸し出す自発的な連帯 (Solidarity) の動きについては、日本でも報道されました。一方、あまり報道はされていませんが、欧州においても、アジアにおいても、地域での感染症予防に、コミュニティのヘルス・ボランティアが大きな力となったと報告されています。

一方、日本では、コロナに感染した人を非難し中傷する動きがみられることに、憂慮しています。この新型コロナウイルス感染症は、だれもが病気になる可能性をもっている疾患です。感染した人を社会全体で支えるという互助の姿勢の感染症対策が必須です。

新型コロナウイルス感染症は、社会の最前線で仕事している人がいるから、社会が成り立つことを教えてくれました。WHOがCOVID-19の前に提唱していた、2020年世界保健デーのテーマは「看護師・助産師を支援しよう!」でした。日本でも、もっとエッセンシャル・ワーカーやフロントライン・ヘルスワーカー支援の動きが欲しいと切実に思います。タクシーに乗車拒否された、馴染みの定食屋から来店しないでほしいといわれた、など看護職や病院関係者に対する差別と偏見の話は悲しくなります。

日本WHO協会では、「医療従事者応援はがきで感謝の気持ちを届けよう!」というプロジェクトが進行中です。日本WHO協会のホームページのニュース記事 からアクセスできます。締め切りは8月29日となっています。応募いただいた作品は、大阪府内のコロナ対策の最前線の主要感染症指定医療機関に寄贈します。「小学校・特別支援学校に在籍する児童・生徒」が対象です。お知り合いの小学校、あるいは小学生をお持ちの家庭の方に、ぜひ周知のほど、よろしくお願いします。

新型コロナウイルス感染予防と同時に熱中症対策が必要だという、未曽有の日本の夏の本番です。皆さま方ご自身とご家族の健康を心からお祈り申しあげます。

理事長 中村安秀

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