アドバイザリー・グループの皆様からのご挨拶
WHOの活動やグローバルヘルスに深くかかわっておられる有識者の方々に、アドバイザリー・グループとして関わっていただきました。動画やパワーポイントを通じて、それぞれの分野の強みを活かし、また分野の垣根を越えて、世界規模で考えていくことの大切さを感じる熱いコメントをいただきました。
氏名 | 所属 | 役職 | |
---|---|---|---|
1 | 生駒 京子 | 株式会社プロアシスト | 代表取締役社⻑ |
2 | 乾 英夫 | 一般社団法人 大阪府薬剤師会 | 会長 |
3 | 遠藤 弘良 | 聖路加看護大学 | 名誉教授 |
4 | 岡部 信彦 | 川崎市健康安全研究所 | 所長 |
5 | 金子 修 | 一般社団法人 日本熱帯医学会 | 監事 |
6 | 喜多 悦子 | 公益財団法人 笹川保健財団 | 会長 |
7 | 更家 悠介 | サラヤ株式会社 | 代表取締役社⻑ |
8 | 澤 芳樹 | 一般社団法人 国際臨床医学会 | 理事長 |
9 | 高井 康之 | 一般社団法人 大阪府医師会 | 会長 |
10 | 神馬 征峰 | 一般社団法人 日本国際保健医療学会 | 理事長 |
11 | 弘川 摩子 | 公益社団法人 大阪府看護協会 | 会長 |
12 | 深田 拓司 | 一般社団法人 大阪府歯科医師会 | 会長 |
13 | 堀 浩樹 | 三重大学大学院医学系研究科 | 研究科長 |
生駒 京子 - 株式会社プロアシスト 代表取締役社⻑
今年もこの 4月 7日に「世界保健デー」が開催されます。
開催に向け、関係者の方々のご尽力に感謝申し上げます。
今年は、「Health For All」をテーマとして、開催されますが、依然として、世界各地で疫病や紛争が次々と起き、とどまるところがありません。 そして、その影響を受けるのが弱い立場の方々になります。 わたしたちにおきましては、健康で安全な日常を作り出すことがとても大きな課題となってきています。 そのためにも、WHOの関係機関が一丸となり、国際支援していくことが取り組みの一歩となります。 わたくしも微力ながら、皆様と力を合わせ、世界に向けてのご支援を続けて参りたく思います。
乾 英夫 - 一般社団法人 大阪府薬剤師会 会長
皆様、こんにちは。アドバイザリー・グループメンバーの大阪府薬剤師会会長の乾 英夫です。
私たち薬剤師は、個人の生命、尊厳及び権利を尊重し、医薬品の供給その他薬事衛生業務を適切につかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって人々の健康な生活を確保することを任務として、人々の利益のため職能の最善を尽くしています。
本日の「世界保健デー2023」イベントが、参加された皆様にとって、本年のテーマ「Health For All」、ヒトの健康のみならず地球に生きるすべての生き物の健康に配慮し、地球規模で環境や健康やいのちを考える端緒になることをご期待申し上げ、挨拶とさせていただきます。
遠藤 弘良 - 聖路加看護大学 名誉教授
世界保健デーのテーマはこれまで特定の健康トピックスに絞ったものが多かったのですが、今年はWHO創立75周年に因んで「Health for All」が選ばれたことには意義深いものがあると思います。「Health for All」は第3代WHO事務局長のマーラー博士が提唱した概念でありWHOのゴールです。
感染症、生活習慣病、自然災害等々、人類は言わば新興そして再興の様々な健康問題に対応せざるを得なくなっています。WHOは「どのような原因であっても、どのような立場の人に対しても社会生活を営む上で障害となる健康問題に取り組んでゆく」という姿勢を、創立75周年を機に改めて示すためにこのテーマを選んだとも考えられるのではないでしょうか。
岡部 信彦 - 川崎市健康安全研究所 所長
川崎市健康安全研究所の岡部と申します。私は小児科医として日常の診療や後輩の教育、感染症の研究などを行っていましたが、ふとしたきっかけでマニラにあるWHO西太平洋地域事務局(Western Pacific Regional Office; WPRO)で1991~94年の3年半ほど、アジアオセアニア地域を中心とした感染症対策に従事していたことがあります。どのようところで何をするかよくわからないまま飛び込んだWHOでしたが、感染症対策は村や町などの一つ一つの努力とそのデーターの集積、そしてその分析とフィードバックが村・町全体の感染症対策に、やがてそれは市や県・州そして国に、やがてはアジア全体から世界に広がっていくことを実感しました。WHOから母校の大学病院に戻り、感染研、そして現在の川崎市健康安全研究所に勤務をしていますが、WHOとは新興再興感染症対策・ポリオ根絶や麻疹・風疹のelimination(排除)、ワクチンの安全性(GACVS: Global Advisory Committee on Vaccine Safety )などに続けてかかわっています。
現在の川崎市健康安全研究所は、川崎市民のための公衆衛生の検査・研究機関として位置づけられていますが、その精緻な検査、あれ?と思うことへの探求(研究)は、市民に対してはもちろん、地域から国、国から世界に通じ、人々の健康に貢献している、と研究所職員諸君に常々語っているところです。地域は世界のために、世界は地域のために。WHO勤務時代に痛感したことです。
金子 修 - 一般社団法人 日本熱帯医学会 監事
皆様こんにちは。この度は、「世界保健デー2023」イベントの開催にあたりお祝いを申し上げます。開催にあたりご尽力をされました公益社団法人日本WHO協会の皆様に深く敬意を表します。
さて、今年はWHOは設立75周年を迎え、World Health Dayのトピックとして”Health For All”(と共に”WHO75”)が掲げられました。”Health For All”という言葉は1978年開催の「第一回プライマリヘルスケアに関する国際会議」で採択されたアルマ・アタ宣言で使われ、WHOの基本理念ともなっている言葉で、WHO設立75周年に当たり温故知新の思いを込めたものと思います。一般社団法人日本熱帯医学会は、熱帯医学分野の学術的研究成果をもって、全世界の人々の医療と健康の増進に貢献することを目的として活動しています。プライマリヘルスケアの現場で見出される諸問題が、本学会員が開発する診断薬や治療薬、ワクチンなどのツールや技術により改善され、”Health For All”がさらに達成されていくことを願ってやみません。「プライマリヘルスケア」を実践されているお二人の演者による講演を楽しみにしています。
最後に、ご参加の皆様の益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げ、ご挨拶といたします。おめでとうございました。
喜多 悦子 - 公益財団法人 笹川保健財団 会長
3年を超えた新型コロナの死者数は世界で688万人、1年を超えたロシアのウクライナ侵攻ではウクライナで1万数千人、ロシアで数万人が亡くなっています。2023年2月6日、トルコ南東部での大地震では同国と南隣シリアで52,000人が亡くなりました。
私たちは何か事故事件がおこると死者数で判断しがちですが、新型コロナの感染者は6億7657万人、ウクライナで故郷を追われた人々は1,400万人、トルコ・シリアの被災民は2,300万人、さらに間接的にその影響を受ける人々はその何倍もいます。
そうです。私たちは何時か、何かの事件事故に巻き込まれましょう。常に、私の、あなたの、彼と彼女、そしてみんなの命と健康を護ることを忘れないで。
更家 悠介 - サラヤ株式会社 代表取締役社⻑
世界はコロナ禍を経て、ポストコロナに向っています。この期間中は、世界中でワクチン配給の希望がありましたが、当然ながら各国は自国優先で、コロナワクチンの配給を行い、一部の国には残念ながらワクチンが廻りませんでした。また感染予防のためのマスクや手袋、ガウンなどPPEも、一時品薄になり、医療スタッフが感染を受けるリスクが顕在化しました。コロナのようなパンデミック感染症の際には、基本的な医薬品や医療用具の普及に、どうしても国々の差、貧富の差が発生します。
また人々の健康を支える食料においても、貧富の格差が顕在化しています。地球温暖化による異常気象の発生で、農作物の不作がおこり、食糧難が発生しました。また昨年来のロシアのウクライナ侵攻で、小麦の配給もままなりません。これらを是正するための良い考えや施策はないのでしょうか。
せめても“Health for All”というこの日に、SDGs・持続可能な発展を考え、未来に向けて意見交換が行われ、ビジョンを共有できることがあれば良いと思います。それぞれに希望を失わず、前向きに対応したいと思います。よろしくお願いします。
澤 芳樹 - 一般社団法人 国際臨床医学会 理事長
2023年4月7日 WHO「世界保健デー」を迎え、国際臨床医学会を代表してご挨拶申し上げます。
本年の「世界保健デー」は、いま世界が抱えている保健医療の課題が一国では解決できない国境を超えたグローバルな視点が重要であることを改めて強く皆で考える機会であると言えます。2020年より世界に拡大し、今もなお世界規模の保健課題であり、人の生活や社会活動、経済、施策にも大きな影響を与えているCOVID-19は、人だけでなく、地球上に生きる動物や、それらと共生する細菌やウイルスや、自然環境である植物や大地、海洋、大気、天空といったPlanetを構成する多様な全てものが調和ある共存が重要であると気づかせてくれます。
国際臨床医学会では、それぞれの地域社会での国境を超える人の移動・共存に伴う臨床医学の課題を一つ一つ取り出して、日本全体、さらに、グローバルな視点で解決を目指していく活動として歩み始めています。地球規模での俯瞰した洞察、研究から、地域と世界が抱える保健医療、国際医療の課題を解決して、Inclusiveな豊かで健康な社会を作っていく日本発グローバルヘルス活動を、日本WHO協会とも連携して進めていきたいと考えております。
今後益々、日本WHO協会の発展とともに、この「世界保健デー2023」をきっかけに、両団体と皆様とが一緒になって、地球規模で私たちの環境、健康、いのちを考えて、新たな一歩を進めていけることを心より祈念いたします。
本イベントが、実りある活動の機会となり、大きな成果を生み、新たな発信となることを大変楽しみにしております。
高井 康之 - 一般社団法人 大阪府医師会 会長
世界保健デー2023の開催にあたり、大阪府医師会を代表してお祝を申し上げます。
さて、新型コロナウイルスとの闘いも3年が経過いたしました。更に追い打ちをかけて物価高の高騰により、国民の生活が今もなお脅かされております。政府は5月8日から感染症法上の位置づけを2類相当から5類への移行を既に決定しており、治療における公費負担等の様々な支援は今後、段階的に解除されます。ここで危惧されるのは医療機関への受診控えであります。経済的に厳しい国民が医療から取り残されることは絶対にあってはなりません。
日本では保険証さえあれば「いつでも」「どこでも」自由に平等に医療を受けることができ、昨今ではかかりつけ医の法制化等の話もございますが、医療の選択は国民の権利であり義務ではあってはなりません。
本日、世界保健デー2023が盛大に開催され、国民一人一人が「Health For All」について一度向き合うきっかけとなりますことを祈念し、私の御挨拶とさせていただきます。
神馬 征峰 - 一般社団法人 日本国際保健医療学会 理事長
弘川 摩子 - 公益社団法人 大阪府看護協会 会長
「WHO世界保健デー2023」テーマは、「Health for All」です。新型コロナウィルス感染症(COVID‐19)は、長期化し、身体的・精神的に影響を受けながら最前線で看護職は活動を続けています。国際的には、このパンデミックの影響で離職者が増加し、深刻な人材不足や賃金問題が浮上しています。国際看護師デーの2023年のテーマは、「Our Nurses, Our Future」です。今回の世界保健デーの主要メッセージには、すべての人々の健康を実現するために必要なのは、質の高い保健サービスを受けられる個人やコミュニティ、質の高い、人を中心としたケアを提供する熟練した保健師・・・と述べられています。世界中の人々が健康的な生活が保障されるよう看護職能団体として関係団体と協働し、活動していきたいと思います。
深田 拓司 - 一般社団法人 大阪府歯科医師会 会長
世界保健デー記念大会開催事業が開催されるにあたりまして、大阪府歯科医師会を代表し、ご挨拶申し上げます。世界保健機関が創立75周年を迎えられる記念すべき「世界保健デー2023」は「Health For All」をテーマにイベントが開催されます。
昨年に引き続きテーマに「Health」が入っており、我々歯科界におきましても、「経済財政運営と改革の基本方針」に2017年より6年連続で「全身の健康と口腔の健康に関する文言」が記載されている事から非常に重要なテーマであると考えております。
記念事業が開催されるにあたり、ご尽力されました関係各位に敬意を表しますと共に、盛会裏にとり行われますことを祈念し、ご挨拶とさせていただきます。