目次
- 世界保健デー 2024「My health, my right」(私の健康、私の権利)
- 開会のあいさつ
- 武見敬三厚生労働大臣、アドバイザリー・グループの皆様方からのご挨拶
- 動画作品「Our Planet, Our Health」(わたしたちの地球、わたしたちの健康)、「Health For All!」 (すべての人に健康を!) 授賞式
- 基調講演「My health, my right」(私の健康、私の権利)
- コンサート「世界のいまと平和を考える」
- 閉会のあいさつ
世界保健デー2024「My health, my right」 (私の健康、私の権利)
2024年の世界保健デーのテーマは「My health, my right (私の健康、私の権利) 」。
日本WHO協会では「世界保健デー 2024」祝祭イベントを開催し、医療者だけでなく、市民の方にも参加いただき、みんなで「健康」について考える一日にしたいと考えてきました。
「世界保健デー 2024」では、冒頭に武見敬三厚生労働大臣から貴重なビデオ ・ メッセージをいただくことができました。 その後、アドバイザリー ・ グループの方々からのご挨拶、動画募集の受賞者の方々の表彰と受賞作品の上映に引き続き、基調講演と「地球のステージ」によるイベントが行われました。 ガザやウクライナの映像と歌とすばらしい語りの世界に魅了され、「My health, my right」に思いを馳せる貴重な時間となりました。 神奈川から自ら機材を運んでご登壇いただいた桑山紀彦さん、本当にありがとうございました!
すばらしいステージの感動をホームページ上でも味わっていただけるとうれしいです。
開会のあいさつ
日本WHO協会が社団法人として設立認可された1965年の翌年、1966年 4月 6日に世界保健デー記念中央大会を京都新聞ホールで開催しました。 以後、2003年まで毎年 4月には、日本WHO協会が世界保健デーの記念イベントを京都で開催していました。 日本WHO協会が大阪に移転し、公益社団法人となってから最初の「世界保健デー」イベントは2022年にオンラインで開催されました。 ことしは、再開後 3 回目の「世界保健デー」になります。
協賛いただいた団体 ・ 企業、後援いただいた機関 ・ 団体、会場に参加いただいた関係者の皆さま、オンラインで視聴いただいた皆さま、多くの方々の厚いご支援とご協力に厚く御礼申しあげます。 今後も、WHO憲章の理念を普及し、国内外の人々の健康の向上に貢献するための活動に邁進していきたいと思います。
公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀
【協賛いただいた企業・団体の皆様】
武見敬三厚生労働大臣、アドバイザリー・グループの皆様方からのご挨拶
厚生労働大臣の武見敬三様から、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジや人間の安全保障に関連する、非常に貴重なメッセージを頂きました。日本WHO協会が最初に「世界保健デー」イベントを開催したときの講師がご尊父の武見太郎氏であったことに言及され、時代を越えた縁(えにし)を感じました。
WHOの活動やグローバルヘルスに深くかかわっておられる有識者の方々に、アドバイザリー・グループとして関わっていただきました。さまざまな立場から、健康と権利の大切さに気づかされる熱いコメントをいただきました。
動画作品「Our Planet, Our Health」(わたしたちの地球、わたしたちの健康) 「Health For All !」 (すべての人に健康を!) 授賞式
WHO 世界保健デーの2022年テーマ「Our Planet, Our Health」(わたしたちの地球、わたしたちの健康) ・ 2023年テーマ「Health For All !」に関する 3 分以内の動画を募集しました。 個人から団体まで多くの方から様々なジャンルの動画を応募いただき、選考委員会による厳正な選考の結果、優秀賞 3 作品、奨励賞 7 作品を選出しました。
上映した優秀賞 3 作品はいずれもあたたかさや熱い想いにあふれており、元気をもらえる作品ばかりでした。 イベントで上映作品を視聴した参加者からは、「とてもいい学びと考察のきっかけになった」、「今考えなければいけないこと、行動しなければいけないことは何だろうと考えさせられました」といった感想をいただきました。
皆さんもぜひご覧ください。
基調講演「My health, my right」(私の健康、私の権利)
世界保健機関 (WHO) が2024年のテーマを「My health, my right(私の健康、私の権利) 」にした理由として特記したのは、紛争と気候変動でした。
紛争は人々の生活に壊滅的な打撃を与え、死や痛み、飢え、精神的苦痛をもたらしています。 同時に、化石燃料の燃焼は気候危機を引き起こし、きれいな空気を吸う私たちの権利を奪いました。 すなわち、災害や紛争、気候変動や大気汚染などにより影響を受けた人びとは、尊厳をもって生きる権利と保健医療を受ける権利を持っているというメッセージと受け止めることもできます。
1948年に採択されたWHO憲章では次のように明記されました。
「人種、宗教、政治信条や経済的 ・ 社会的条件によって差別されることなく、到達しうる最高水準の健康に恵まれることは、あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつです。・・・ (中略) ・・・各国政府には自国民の健康に対する責任があり、その責任を果たすためには、十分な健康対策と社会的施策を行わなければなりません。」
WHO憲章において、健康とは基本的人権という社会的概念として認識され、各国政府には単なる保健医療サービスの提供だけではなく、社会的な施策を求めていました。
私自身は、日本の医学教育のなかで「健康と人権」について学んだ記憶はほとんどありません。世界保健デーのテーマ”My health, my right”をきっかけにして、HIV/AIDSやハンセン病による差別など、日本国内における健康に関わる人権侵害の歴史と現状を把握したうえで行動につながるような学習機会が増えることに期待したいです。
○ 登壇者:
・ 中村 安秀 さん(日本WHO協会理事長、大阪大学名誉教授)
コンサート「世界のいまと平和を考える」(公開期間が終了しました)
桑山紀彦さん (認定NPO法人 地球のステージ 代表理事) に、ご自身の海外紛争地での医療支援活動のお話しや映像 ・ 歌 ・ 演奏を通して、紛争下のガザやウクライナの生の姿を伝えていただきました。 そのひとつひとつが「My health, my right(私の健康、私の権利) 」を考えさせられました。 すばらしい歌と演奏で会場もひとつになりました。 私たちの心に響くパワフルなステージを通して、私たちにとっての「世界のいまと平和を考える」貴重な機会になりました。 神奈川から車で駆け付けていただき、本当にありがとうございました。
○ 公演
・桑山 紀彦さん (地球のステージ代表理事)
閉会のあいさつ
安田 直史さん (公益社団法人日本WHO協会理事、近畿大学社会連携推進センター教授)
桑山紀彦さんのコンサートでは心で感じることができ、中村安秀理事長のおはなしでは歴史を紐解きながら、「健康に生きることは、みんな生まれながらにして持っている権利なんだ」ということが理解できたことでしょう。「実現するために誰に対して、私は何をしなければならないのか?」あるいは「何ができるのか?」ひとり一人が自問自答する機会になって、何かアクションを起こす一歩になったことでしょう。