持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals; SDGs)は、17の目標と169のターゲットから構成されています。保健医療分野は、目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に集約されていますが、健康やいのちにかかわる目標やターゲットはいろんな分野と深く関連しています。
WHOのWorld Health Statistics 2019では、人々の健康やいのちに関連している、SDGsの目標とターゲットは下記のようにまとめています。
(文言は簡略化しています。原文は「外務省のSDGs」を参照してください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/000101402.pdf)
健康と関連したSDGsの目標とターゲット
1.貧困をなくす
- 1.aあらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。(各国保健予算の確保を含む)
2.飢餓をゼロに
- 2.22030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズに対処する。
3.すべての人に健康と福祉を
- 3.12030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
- 3.2すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳未満死亡率を少なくとも出生1,000 件中25件以下まで減らすことを目指す。
- 3.32030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を終息するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
- 3.42030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
- 3.5薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
- 3.62020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
- 3.72030年までに、家族計画、情報・教育性と生殖に関する保健サービスをすべての人々が利用できる。
- 3.8すべての人々に質の高い基礎的な保健サービスヘのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンヘのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
- 3.92030年までに、有害化学物質、ならびに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病を減らす。
- 3.aすべての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
- 3.b主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS 協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンヘのアクセスを提供する。
- 3.c開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
- 3.dすべての国々で健康危険因子の早期霊告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。
5.ジェンダー平等
- 5.2人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性及び女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力を排除する。
6.安全な水と卜イレ
- 6.12030 年までに、すべての人々の、安全で安価な飲料水の普遍的かつ平等なアクセスを 達成する。
- 6.22030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設ヘのアクセスを 達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を向ける。
- 6.a2030年までに、集水、海水淡水化、水の効率的利用、排水処理、リサイクル・再利用技術などを対象とした国際協力と能力構築支援を拡大する。
7.クリーンエネルギー
- 7.12030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスヘの普遍的アクセスを確保する。
11.まちづくり
- 11.62030年までに、大気の質及びその他の廃棄物を含め、都市の一人当たりの環境上の悪影響を軽減する。
16.平和と公正
- 16.1あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関連する死亡率を大幅に減少させる。
17.パートナーシップ
- 17.9すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援するべく、開発途上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強化する。(死因統計の強化を含む)