WHOは、感染症対策として1970年代に天然痘根絶活動を行い、1980年には天然痘根絶宣言を出すことができました。新型インフルエンザ、エボラウイルス病などの感染症対策において「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を発出し、世界各国の協力を要請するのも大きな仕事です。
高血圧、肥満、がん対策などにおいて国際的なガイドラインを策定し、予防接種ワクチンの世界的な基準を策定するといった専門的な仕事を行ってきました。「持続可能な開発目標(SDGs)」においては、だれもが必要な時に適切な医療を受けられるような仕組みづくりとしてユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)を提唱しています。
WHOのロゴは、蛇が巻き付いた杖と地球儀から成っています。ギリシア神話に登場する医師のアスクレピオスがもっていたのが、蛇が巻き付いた杖だったので、アスクレピオスの杖といいます。医術の象徴として、米国医師会など世界的に広く使われています。
WHOのGoodwill Ambassadors(親善大使)として、ベッカー夫妻(英国サッカー選手)、エレン・ジョンソン・サーリーフ氏(元リベリア大統領、2011年ノーベル平和賞受賞者)など世界の著名人と並び、日本からは笹川陽平氏(日本財団)と武見敬三氏(参議院議員)が活躍しています。
WHOの具体的な活動分野としては、以下のようなものがあげられます。
- 国際保健事業の指導的かつ調整機関としての活動
- 保健事業の強化についての世界各国への技術協力
- 感染症及びそのたの疾病の撲滅事業の推進
- 医学情報の総合調整
- 保健分野における研究の促進・指導
- 生物学的製剤及び類似の医薬品、食品に関する国際的基準の発展・向上
- 健康関連SDGs目標に到達するために各国を支援