インスリンが発見されてから100年、WHOが新たに打ち出した「世界糖尿病コンパクト」は、糖尿病を予防し、治療を必要とするすべての人々に治療を提供するための取り組みを加速させることを目的としています。
糖尿病による早期死亡のリスクが高まっています。
テドロス事務局長は、「糖尿病の患者数は、過去40年間で4倍に増加し、主要な非伝染性疾患の中で唯一、早期死亡のリスクが上昇している病気です。また、COVID-19で入院して重篤な状態になる人の中には、糖尿病を患っている人が多くいます。世界糖尿病コンパクトは、糖尿病の予防と診断のために、命を救う医薬品の入手と価格を低減させるための政治的責任を促進するのに有効です」と述べています。
中低所得国において、糖尿病診断ツールや医薬品、特にインスリンの普及は、最も緊急性の高い課題のひとつです。血糖値測定器やテストストリップを入手するのに苦労している人も少なくありません。
さらに、2型糖尿病患者の約半数が診断を受けておらず、2型糖尿病患者の50％が必要なインスリンを投与されていないため、早期死亡、手足の切断、視力低下など不可逆的な合併症のリスクを回避することができません。
また、このコンパクトは、糖尿病治療の世界的なカバー率の目標を設定することにより、進捗を促進することに焦点を当てます。これらの新しい目標を達成するためのコストとメリットを定量化します。 コンパクトはまた、プライマリヘルスケアに、そしてUHCパッケージに、糖尿病の予防と治療を含めるという各国政府の公約を果たすことを提唱します。
“世界糖尿病コンパクトの主な目的は、官民の主要なステークホルダー、そして重要なことに、糖尿病とともに生きる人々を共通の課題のもとに結集させ、新たな機運を生み出し、解決策を共同で創出することです」と、WHOの非感染性疾患局局長であるベンテ ･ ミケルセン博士は述べています。” COVID-19への対応における “All hands on deck （あらゆる手を尽くす）” アプローチは、緊急の公衆衛生問題に対する解決策を見つけるために異なるセクターが協力することで何が達成できるかを示しています」と述べています。
