1972年に「国民総幸福量」という言葉を導入したブータンでは、自殺が死因の 6 番目に挙げられています。 さらに、自殺死亡者 4 人に対し、自殺未遂者は 1 人しか記録されていません。 世界では、 1 人の自殺に対して 20 人以上の自殺未遂があると推定されていることから、これは相当な過少報告であることを示しています。
パンデミック開始時、ブータンには精神衛生に関する人材がほとんどなく、開業精神科医が 2 人、訓練を受けた精神科看護師と臨床カウンセラーが数人いるだけでした。 パンデミックによる精神衛生への影響とメンタルヘルスサービスの混乱を予測して、2020年 3月、保健省はWHOの指導を受けて全国の精神衛生と心理社会的ニーズに対応するための「全国COVID-19メンタルヘルス ・ 心理社会対応チーム」を立ち上げました。 対応チームは、ブータン全土の 2 万人以上の現場職員とコミュニティ ・ ボランティアに対して、自殺の危険因子の特定、苦境にある地域住民への基本的な心理社会的支援の提供方法、紹介の仕方に関する研修を実施しました。
ブータンで実施されたこれらの取り組みは、WHOの「各国の自殺予防のためのLIVE LIFE実施ガイド」に沿っています。