WHO最新ニュース

変化が必要な 5 つの分野

WHO事務局長は、ケンブリッジ大学で「グローバル化、持続可能性、そしてアイデアの力」について講演し、変化が必要な分野として以下の 5 つを説明しました。

  1. 健康が持続可能な開発の中心であることを、世界、国家、地域レベルで認識する必要があること。あまりにも多くの国で、健康は育成すべき投資、つまり社会的 ・ 経済的発展と持続可能性への投資ではなく、抑制すべきコストと見なされてきたのです。 しかし英国と日本は、第二次世界大戦後、戦争で疲弊していた頃に国民皆保険への道を歩み始めました。
  1. プライマリーヘルスケアは、健康増進と疾病予防に不可欠であること。 強力なプライマリーヘルスケアシステムは、二次 ・ 三次医療の必要性を予防したり遅らせたりするのに役立ち、人々の健康状態の向上と医療システムのコスト削減につながります。
  1. 現地生産化を進めること。 パンデミック以前から、医薬品やワクチンの現地生産の拡大はWHOの優先事項でした。 しかし、パンデミックによって、その必要性はさらに高まっています。 そこでWHOは、官民パートナーシップとして、南アフリカにmRNAワクチンの技術移転ハブを設立しました。
  1. パンデミックの予防、準備、対応のためのグローバルヘルス構造の大胆な変化が必要であること。 ワクチンや種々のツールの共有に世界が連帯感を失ったことは、地球規模の対応における大きな欠陥の兆候でした。
  1. 人間の健康に対する狭窄した見方から、「ワンヘルス」という概念への移行が必要であること。 新興感染症の約 75 % は、動物から生じています。 野生動物の生息地を侵食する森林伐採や集約農業などの人間活動は、未知の病原体との接触の機会を生み出しています。 また無計画で急速な都市化は、社会的格差や保健医療サービスの利用における不公平を悪化させ、人々を環境リスクにさらしています。 さらにこうした活動の多くは、気候変動の原因ともなっています。 私たちが依存している地球の健康を守ってこそ、人間の健康を守ることができるのです。

記事の詳細はWHOのウエブサイトをご覧ください。

WHOインターンシップ支援
メールマガジン登録

刊行物(目で見るWHO)
賛助会員募集中