毎年、WHO は過去 12 か月の健康と科学における重要な出来事を振り返ります。 2024年の総括は以下の通りです。
1 ) 世界から疾病を撲滅
- 7 カ国 (ブラジル、チャド、インド、ヨルダン、パキスタン、東ティモール、ベトナム) が、アフリカ睡眠病、ハンセン病、リンパ系フィラリア症、トラコーマなどの顧みられない熱帯病を撲滅
- エジプトは、1 世紀にわたる闘病の末にマラリアフリーとなり、カーボベルデもマラリアフリー国に
- アメリカ地域を麻疹無発生地域として再確認。
- ベリーズ、ジャマイカ、セントビンセントおよびグレナディーン諸島では、HIV および梅毒の母子感染が根絶され、ナミビアでは、HIV および B 型肝炎の母子感染根絶に向けた重要な節目を迎えました。
2 ) 非感染性疾患とメンタルヘルスの負担に取り組む
- 「世界におけるたばこ使用の動向に関する報告書 2000 – 2030」を発表
- 新しいデータによると、世界中で約 18 億人の成人が、不十分な身体活動の結果、心臓病、2 型糖尿病、一部のがんなどの深刻な疾患を発症するリスクにさらされています。
- 「アルコールと健康に関する世界状況報告書」および「物質使用障害の治療」を発表
- 史上初の「世界溺水状況報告書」が発表
- 神経疾患は世界で最も多い病気と障害の原因となっており、3 人に 1 人以上がこれらの疾患 (片頭痛、脳卒中、認知症など) に罹患
- 『世界の食料安全保障と栄養状態 2024』
- 新たなデータでは、過去 30 年間に糖尿病が急増
- 2025年には、史上初の「健康の商業的要因に関するグローバル報告書」が発行予定
- 2025年には 第 4 回 国連総会非感染性疾患予防と管理に関するハイレベル会合が開催される予定
3 ) 行動を提唱
世界のリーダーたちは、今日私たちが直面する最も差し迫ったグローバルヘルスの脅威のひとつである AMR (薬剤耐性) に対処するための主要宣言に合意しました。 主な公約は、2030年までに薬剤耐性菌による世界的な死亡者数を 10 % 削減することです。
WHO 加盟国は、2024年の世界保健総会で主要決議を採択しました。
- 気候変動がもたらす深刻な健康リスクに立ち向かうための断固とした対策の緊急の必要性を強調する決議案、
- 人々の健康とウエルビーイングに影響を与える決定に人々が意見を述べられるようにし、保健システムへの信頼を醸成するための取り組みを強調する社会参加に関する決議案、
- 経済、社会、環境の各側面における行動の整合性を図り、自国の経済が自国民の健康に貢献することを各国に求める決議案。
4 ) 命を救う記念日を祝して
- 拡大予防接種計画 (EPI) 50 周年
1974年に EPI が発足して以来、世界的な予防接種活動により、推定 1 億 5400 万人の命が救われました。 これは、毎分毎秒、1 年 365 日、1 人あたり 6 人の命に相当します。
- 2024年には、17 カ国でマラリアワクチンが導入され、WHO の HPV ワクチン単回投与スケジュールにより、より多くの少女が子宮頸がんから守られるようになりました。
- また、新しい髄膜炎ワクチンは、髄膜炎菌の 5 つの主要な菌株に対して、1 回の接種で強力な防御効果を発揮します。
5 ) グローバルヘルスの安全保障強化
- 加盟国は、国際保健規則 (2005) (IHR) の改正パッケージに関する交渉を成功裏に終結させ、世界的なパンデミック協定に関する交渉を完了させる具体的な約束をしました。
- WHO は2024年を通して、ガザ地区からスーダン、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態である Mpox まで、数多くの健康上の緊急事態に対応。
- 進行中の健康危機に関する概要は、WHO 健康緊急アピール 2025 の一部として、今後数週間のうちに発表される予定。
6 ) 世界の保健機関の変革
- すべての人々の健康な未来への投資
2024年にWHOは初の投資ラウンドを実施し、2025年から2028年までの 第 14 次 WHO 総合事業計画 (GPW 14) の予測可能で柔軟かつ弾力性のある資金調達を確保。
- リヨンの WHO アカデミー開設
- 国別事務所の能力を強化-
- 誤報や偽情報との闘い