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薬剤耐性に関するグローバル研究アジェンダ

世界保健機関 (WHO) が策定した「ヒトの健康における薬剤耐性に関するグローバル研究アジェンダ」は、2030年までにヒトの健康分野における薬剤耐性を緩和する可能性が最も高いエビデンスの創出を促進するために策定された、同種のものとしては初の研究アジェンダです。

このアジェンダでは、文献レビューと専門家の意見に基づく厳格な優先順位付けの作業を通じて特定された、細菌および真菌感染症に関する 33 の研究優先事項と、多剤耐性結核に特化した 7 つの優先事項が概説され、政策立案者、研究者、資金提供者、その他の利害関係者を導くことを目的とし、特定された優先事項に沿った研究と投資を促進することを目指しています。 そして、とりわけリソースが限られた環境において、最終的に薬剤耐性 (AMR) 対策の政策と介入に役立つよう、研究の優先事項を実行可能な研究に変換する必要性を提唱しています。

(備考)
薬剤耐性 (AMR) は、人間の健康に深刻な脅威をもたらしており、細菌による AMR に関連する死亡者数は2021年には 471 万人に達すると推定されています。 世界全体では、2023年にはリファンピシンおよび多剤耐性結核 (TB) の新規患者数が 40 万人に達すると推定されています。 侵襲性真菌感染症は世界的に増加しており、その管理は診断の難しさや抗真菌薬耐性により困難を極めています。 低 ・ 中所得国は AMR の影響を不均衡に受けており、耐性菌による感染症による死亡率は、高資源環境よりも高い状況です。 健康への影響に加え、AMR はグローバルエコノミーにも多大なコストを伴います。 何の対策も講じなければ、2050年までに 100 兆米ドルに達する可能性もあります。 耐性菌感染症の治療には、2035年までに年間 4120 億米ドルに達する可能性があり、生産性の損失は年間 4430 億米ドルに上ります。

詳細はWHOのウエブサイトをご覧ください。

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