WHO最新ニュース

薬剤耐性の主因は抗生物質の過剰使用

薬剤耐性 (AMR) は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫が医薬品に反応しなくなり、感染症の治療が困難または不可能になり、病気の蔓延、重篤な症状、死亡のリスクが高まる現象で、現代医学の多くの進歩を台無しにする危険性があります。 抗生物質やその他の抗菌薬の過剰使用や誤用が AMR の主な要因である一方、資源が限られている多くの地域では依然として、必須医薬品の入手さえ困難な状況が問題となっています。

世界保健機関 (WHO) は、抗生物質のグローバルな使用状況に関する分析結果を公表しました。
この報告書は、2022年のグローバル薬剤耐性 (AMR) および使用監視システム (GLASS) のダッシュボードデータと、抗生物質を 3 つのカテゴリーに分類する WHO の Access, Watch, Reserve (AWaRe) システムに基づいており、抗微生物薬の使用を調査対象に含めてから2023年12月までに、90 の国、地域、地域 (CTAs; countries, territories and areas) が参加登録し、そのうち 74 カ国が国家データを報告しました。
2022年、その調査では全体として、1,000 人あたり 18 人が毎日抗生物質を投与されました。 しかし、抗生物質の使用量は、使用量が最も多い CTA と最も少ない CTA で 10 倍もの差があり、これらの変動についてはさらに理解を深める必要がありますが「抗生物質の過剰使用と、利用の低さの両方の傾向」が示唆されています。
Watch 抗生物質の使用は多くの地域で依然として比較的高い水準にあり、そのため、国連が定める「抗生物質の 70 % をAccessカテゴリーに分類する」という目標を達成しているCTAは 3 分の 1 に過ぎません。 監視対象抗生物質はAMRに不均衡な影響を及ぼしており、抗生物質が不要な場合やアクセス抗生物質で十分な場合にその不適切な使用を回避するため、さらなる対策が急務です。

(備考)

  • Access : 一般的な感染症の第一選択薬
  • Watch : 耐性化が懸念されるため限られた適応に使うべき薬

詳細はWHOのウエブサイトをご覧ください。

WHOインターンシップ支援
メールマガジン登録

刊行物(目で見るWHO)
賛助会員募集中