COVID-19 のパンデミックは、公衆衛生システムの深刻な脆弱性を露呈し、甚大な被害をもたらしました。 また、一連の紛争、政治的混乱、経済的ショックが経済的苦境を深刻化させ、食料品とエネルギーの価格を過去最高水準に押し上げ、世界的な生活費高騰危機を悪化させ、世界中の中央銀行が金融引き締め政策を強化する事態を招き、家計と企業にさらなる経済的圧力を加えています。
これらの出来事は、私たちが今までに無い後退に直面しているだけでなく、気候変動、環境悪化、格差の拡大、政治の不安定化などが相互に悪循環し、社会のウエルビーイングの基盤そのものを損なう「ポリクライシス」に直面していることを明らかにしています。 健康、環境、経済に対する現在のアプローチは、こうした相互に関連した脅威には不十分であることが明らかで、れらの脅威を個別に解決することは、もはや現実的ではありません。 ウエルビーイング社会への移行には、国内総生産 (GDP) を超えた、健康、包摂、持続可能性を優先する新しい進捗測定方法が必要です。
第 76 回 世界保健総会で加盟国によって採択された WHO のグローバル ・ ウエルビーイング ・ フレームワーク に基づいた、「国レベルでのグローバル ・ ウエルビーイング ・ フレームワークの実施 : 政策パスウェイ」は、各国保健省に対して「地球とその生態系の育成、社会的保護と福祉システム、公平なユニバーサルヘルスカバレッジ、公平な経済、公平なデジタルシステム」の 5 つの主要な政策展開を通じ、ウエルビーイング社会のビジョンを具体的な行動に移す方法に関する実践的なガイダンスを提供しています。