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世界の 4 人に 1 人が依然として安全な飲料水にアクセスできず : WHO、ユニセフ

2025年世界水週間 (8月24日~28日) に WHO とユニセフが発表した『家庭用飲料水と衛生状況の進展 (2000~2024年) : 不平等に焦点を当てて』は、一定の進展は見られるものの、大きな格差が依然として存在することを明らかにしています。
低所得国、脆弱な状況にある地域、農村地域、子どもたち、少数民族や先住民族が最も大きな格差に直面しています。

報告書の要点 (10 項目) は以下の通りです。

  1. 世界の人口の 4 人に 1 人に当たるおよそ 21 億人が安全に管理された飲み水を口にすることができない。 そのうち 1 億 600 万人は、河川や湖などから未処理の地表水を直接飲んでいる。
  2. 34 億人が、安全に管理された衛生施設 (トイレ) を利用できず、そのうち 3 億 5,400 万人は屋外排泄を行っている。
  3. 17 億人が、未だに家庭で基本的な衛生サービスを利用できず、そのうち 6 億 1,100 万人は衛生を保つためのいかなる設備も利用できない状況にある。
  4. 後発開発途上国では、他の国と比べて、基本的な飲み水と衛生施設 (トイレ) に関連するサービスを利用できない人の数が 2 倍以上多く、基本的な手洗い設備を利用できない人の数は 3 倍以上多くなっている。
  5. 脆弱な状況下では、安全に管理された飲み水の普及率が他の国に比べて 38 ポイント低く、深刻な不平等が浮き彫りになっている。
  6. 農村部に住む人々には改善が見られるものの、依然として遅れをとっている。 安全に管理された飲料水の普及率は、2015年から2024年の間に 50 % から 60 % に上昇し、基本的な手洗い設備の普及率は 52 % から 71 % に上昇した。
  7. 70 カ国のデータによると、思春期の女児は生理用品と着替えるためのプライベートな場所を持っているが、多くの女性は必要な頻度で交換できるだけの十分な用品を持っていない。
  8. 15 ~ 19 歳の女子は、成人女性よりも、月経期間中に学校や仕事、社交的な余暇活動などに参加する傾向が低くなっている。
  9. ほとんどの国において、女性と女の子が水くみの主な担い手であり、サハラ以南のアフリカと中央 ・ 南アジアでは、多くの人が 1 日当たり 30 分以上を水くみに費やしている。
  10. SDGs (持続可能な開発目標) の達成期限まで残り 5 年となる中、2030年目標である屋外排泄の根絶、基本的な水と衛生に関する設備 ・ サービスのすべての人への普及を達成するには、さらなる加速が不可欠で、この分野における安全に管理されたサービスを世界中に普及することは、現状において、ますます達成が困難な状況となっている。

詳細はWHOのウエブサイトをご覧ください。

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