母子感染は世界中で数百万人に影響を及ぼし、暫定推計によれば WHO 南東アジア地域だけでも、2024年には 2 万 3 千人以上の妊婦が梅毒に感染し、8 千人以上の乳児が先天性梅毒を持って出生しました。 約 2 万 5 千人の HIV 陽性妊婦が、赤ちゃんへの感染を防ぐための治療を必要としており、B 型肝炎は同地域で 4,200 万人以上に影響を与え続けています。
WHO は、モルディブ共和国が B 型肝炎の母子感染防止 (EMTCT : eliminating mother-to-child transmission) の達成を認定しました。 これにより、同国は2019年に認定された HIV および梅毒の母子感染防止 (EMTCT) に加え、世界初の「三重の排除」を達成した国となりました。
モルディブは長年にわたり、母子保健に対する統合的かつ包括的なアプローチを構築し、妊婦の 95 % 以上が妊婦健診を受け、HIV、梅毒、B 型肝炎の検査はほぼ全妊婦に実施されています。 また、強力な予防接種システムを有し、新生児の 95 % 以上が B 型肝炎出生時接種を確実に受け、完全なワクチン接種率を達成しており、これにより乳幼児が生涯にわたる感染から守られています。 その結果、2022年および2023年には HIV や梅毒に感染した新生児は一人も生まれず、2023年の全国調査では幼児 (小学校 1 年生) における B 型肝炎感染がゼロであることが確認され、根絶目標を上回る成果を達成しました。
これらの成果は、移民を含む全住民に無料の妊婦健診、ワクチン、診断サービスを保証するユニバーサルヘルスカバレッジ (UHC) によって支えられており「強力な政策と GDP の 10 % 以上を医療に投資」する取り組みがこれを支えています。