Covid-19が初めて報告されてから約 5 年が経過しましたが、世界保健機関 (WHO) による感染予防と管理 (IPC : infection prevention and control) に関する新たなグローバル報告書では、医療関連感染 (HAIs : healthcare-associated infections) を防ぐために重要なギャップに対処する取り組みが遅々として進んでいないことが示されています。
この報告書は、イタリアが主催した G7 のサイドイベントで発表され、政策立案者、感染予防 ・ 管理 (IPC) の専門家、医療従事者、および関係者が行動を導くための基本評価を提供しています。
医療関連感染 (HAI) の大部分は、感染予防 ・ 管理 (IPC) の実践と、基本的な水 ・ トイレ ・ 衛生設備 (WASH : water, sanitation and hygiene) サービスの改善によって予防することができ、これらはヘルスケア環境における薬剤耐性 (AMR: antimicrobial resistance) を低減するための費用対効果の高い「最善の策」でもあります。
この報告書によると、現在、71 % の国が積極的な IPC プログラムを実施しているものの、2023年から2024年にかけて、WHO IPC の最低要件をすべて満たした国はわずか 6 % でした。 また、低 ・ 中所得国 (LMIC) の患者は、高所得国 (HIC) の患者よりも医療提供時に感染症に罹患するリスクが最大 20 倍高いことも指摘しています。
WHO と経済協力開発機構 (OECD) の新たなデータによると、早急な対策を講じなければ、院内感染により毎年最大 350 万人もの患者が死亡する可能性があると推定されています。 あらゆるレベルでの感染防止対策の改善は、死亡者数の減少につながります。