不健康の根本的な原因は、世界保健機関 (WHO) が発表した「健康の公平性を左右する社会的決定要因に関する世界報告書」では、多くの場合質の高い住宅、教育、雇用機会の欠如など、保健分野以外の要因にあると強調しています。
平均寿命が最も短い国の人々は、平均寿命が最も長い国の人々に比べて、平均して 33 年も早く死亡し、また、貧しい国で生まれた子供は、豊かな国で生まれた子供に比べて 5 歳までに死亡する確率が 13 倍も高いとされています。
WHO は、所得格差、構造的な差別、紛争、気候変動に対処するための措置が、根深い健康格差を克服するための鍵であると強調しています。 例えば、気候変動により、今後 5 年間で 6,800 万人から 1 億 3,500 万人もの人々が極度の貧困に陥ると推定されており、また、世界中で 38 億人が、育児休暇や有給の病気休暇などの適切な社会保障の恩恵を受けておらず、その健康アウトカムに直接的かつ持続的な影響が出ています。 さらに、多額の債務負担により、政府はこれらのサービスに投資する能力を失っており、世界最貧 75 カ国の利息支払総額は過去 10 年間で 4 倍に増加しています。
WHO は、各国政府、地方自治体、健康、学術、研究、市民社会のリーダー、および民間部門に対して、以下の事項に関する協調的な行動を呼びかけています。
- 経済的不平等に対処し、社会インフラと普遍的な公共サービスに投資すること
- 構造的な差別、紛争、緊急事態、強制移住の決定要因と影響を克服すること。
- 気候変動対策とデジタル変革の課題と機会を管理し、健康の公平性の相乗効果を促進すること。
- 健康の公平性の社会的決定要因に関する取り組みを優先するガバナンス体制を推進すること。