環境中のマイクロプラスチックは、社会の強い関心を呼んでいる新たな汚染物質です。 ポリマーそのものからモノマーだけでなく、プラスチック材料を作るために使用される添加物、吸着した化学汚染物質、関連するバイオフィルムまで、マイクロプラスチック粒子への曝露による人間の健康への影響について大きな懸念が投げかけられています。
このことを認識し、WHOは飲料水中のマイクロプラスチックに関するエビデンスの状況を見直し、2019年 8月に人間の健康へのリスクを評価する報告書を発表し、さらに、国際的な専門家グループの支援を受け、2021年12月までに公表された利用可能なデータを集めて検討し、環境からのマイクロプラスチック粒子への曝露による人の健康へのリスクを評価しました。
報告書では、曝露と影響の両方に関するデータの質、信頼性、関連性を評価し、ナノ ・ マイクロプラスチック粒子 (NMP : nano – and microplastic particles) のリスク評価への寄与の可能性を検討しました。 しかし、利用可能なデータのうち人の健康に対する NMP のリスク評価に利用できるものは非常に限られていることが示されました。 これらの作業の結果、WHOは研究ニーズを特定し、現在の不確実性に対処するためにマイクロプラスチック粒子について今後に必要な作業範囲を定義しました。