国連機関が発表した報告書によると、2 分に 1 人の割合で、女性が妊娠中または出産中に死亡していることが明らかになりました。 この報告書「妊産婦死亡率の傾向」は、世界のほぼすべての地域で妊産婦死亡が増加または停滞していることから、近年における女性の健康に対する憂慮すべき後退を明らかにしています。 この報告書によると2020年の世界の妊産婦死亡数は 287 000 人と推定されます。 これは、国連の持続可能な開発目標 (SDGs) が発効した2016年の 309,000 人からわずかな減少にとどまることを示しています。
妊産婦死亡は引き続き世界の最貧地域と紛争の影響を受けた国に大きく集中しています。 2020年には、全妊婦死亡の約 70 % がサハラ以南のアフリカで発生し、深刻な人道危機に直面している 9 カ国では、妊産婦死亡率が世界平均の 2 倍以上 (出生 10 万人当たりの妊産婦死亡数が 551 人、世界全体では 223 人) になっています。
重度の出血、高血圧、妊娠に関連する感染症、危険な中絶による合併症、妊娠によって悪化する基礎疾患 (HIV / AIDSやマラリアなど) が妊産婦死亡の主な原因となっています。 これらはすべて、質の高い丁寧な医療を受けることができれば、ほぼ予防と治療が可能で、コミュニティを中心としたプライマリーヘルスは、女性、子ども、青少年のニーズを満たし、出産介助や産前 ･ 産後ケア、小児予防接種、栄養、家族計画といった重要なサービスへの公平なアクセスを可能にすることができます。
しかし、プライマリーヘルスケアシステムへの資金不足、訓練を受けたヘルスケアワーカーの不足、医薬品のサプライチェーンの脆弱性などが、その進展を妨げています。
報告書は、世界が妊産婦死亡の削減に関する世界目標の達成に向けて進捗を大幅に加速させなければならないこと、さもなければ2030年までにさらに 100 万人以上の女性の命が危険にさらされることを明らかにしています。
