日本WHO協会からのお知らせ

2019年7月

6月末に大阪でG20サミットが開催され、テドロス・アダノム・ゲブレイェススWHO事務局長が参加しました。首脳宣言では、国際保健分野の課題としてユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)に対する取り組みに期待が寄せられました。

一方、報道は比較的に少なかったですが、サミット直前の6月13日・14日に、Health Professional Meeting 2019(H20)が東京お台場で開催されました。主催は世界医師会と日本医師会。秋篠宮皇嗣妃殿下からのお言葉のあと、WHOやユニセフなどの国際機関、アジア・アフリカからの医師会の関係者、日本からの参加者により、2日間にわたる熱い議論が行われました。

メイン・テーマは、「ユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)への道」。いま、国際保健の世界でもっとも熱い議論がされているUHCに、真正面から取り組んだ意欲的な会合でした。

日本の国民皆保険の導入前後の医師会の役割について横倉義武日本医師会会長が講演し、葛西健WHO西太平洋地域事務局長が「UHCに対する責任の共有と個人の義務」に関するパネル・ディスカッションの座長を務めました。最後に、「UHCに関する東京宣言」を採択して幕を閉じました。UHCとプライマリヘルスケア(PHC)の関連性、政治的なリーダーシップの重要性、ヘルスケアのための人的資源不足など、刺激的な議論が続いた国際会議でした。

私にとっては、ソマリランドからの若い女性医師が参加し、質問していたことに感動しました。ソマリランドはアフリカの角に位置する独立国家ですが、紛争で大変なソマリア共和国ではなく、国際的には国家として承認されていません。「だからこそUHCが必要なのです」と2日間の学びを今後に活かしていくのだと、元気よく帰国の途につく彼女の背中が大きくみえました。

6月17日に日本WHO協会の会員総会が定時社員総会が開催され、4名の新理事が選任されました。五十音順に、太田謙司氏 (大阪府歯科医師会会長)、茂松茂人氏 (大阪府医師会会長)、高橋弘枝氏 (大阪府看護協会会長)、藤垣哲彦氏 (大阪府薬剤師会会長)です。

素晴らしい理事の方々をお迎えできたことは大変にありがたく、日本WHO協会の活動の大きな飛躍につながることを期待しています。今後も、WHOをはじめとする国際機関、国、地方自治体、企業、団体、NPO/NGOなどと協働しつつ、だれひとり取り残されない「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標達成をめざして活動を展開していきますので、皆さま方のご指導ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願いします。

理事長 中村安秀

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