日本WHO協会からのお知らせ

2019年8月

7月下旬に長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻の大石和代教授(助産学)が行う「長崎大学地域助産学演習」に、7名の助産師養成コース大学院学生とともに参加させていただきました。

ちょうど、五島列島に警戒レベル5相当の大雨特別警報が発表され、全国でも最上級のレベル5は初めてでした。私が五島に到着したのは、雨もおさまりかけた翌日の午後。大雨特別警報の直後にもかかわらず、保健所、五島市役所、五島中央病院、福江産婦人科医院などのご理解をえて、大学院学生と机を並べて勉強させていただきました。

五島市の人口は約3.5万人。2017年の五島市の合計特殊出生率(TFR)は1.93(全国平均はわずか1.43です)。出生率は高く、9人にひとりは第4子以上でした(なかには、第6子、第7子もいました!)。私がかつて暮らしたインドネシアのように、子どもが生まれていました。お母さん方に聞いても、医療者に聞いても、みんなが声をそろえたように、子育てしやすい環境だといいます。

もちろん、離島という制約があり、医学的にはできることとできないことが、はっきりしています。たとえば、在胎35週未満の早産、あるいは人工呼吸器が必要になりそうな新生児は、島内では受け入れていません。場合によっては緊急搬送されることもあります。しかし、限られた設備と医療人材を最大限に活かし、離島という地理的条件に配慮したうえで、地域で入手可能な最高の医療を提供していました。まさに、日本国内のユニバーサル・ヘルス・カバレージ(UHC)のすばらしい実践の現場でした。

今後は、子育てや母子医療の環境づくりの面においても、日本の本土こそが離島の実践から学ばなければならないと痛感しました。すばらしい機会をいただいた、長崎大学の大石和代先生と助産師養成コースの学生さん、お話ししていただいた五島の皆さんがたに感謝です。

『目で見るWHO』夏号ができあがりました。会員の皆さまのお手元に届いたかと思います。新装になった『目で見るWHO』には次のような特徴があります。

・WHOが英語で発信するニュースの概要を日本語で3か月分まとめて読める

・WHO協力センターの紹介記事が3か所ずつ入手できる

・WHOで働く日本人職員の方からの寄稿、WHOインターン体験記が掲載されている

関心あるかたは、ぜひこの機会に、賛助会員への入会をお薦めしたく存じます。

法人賛助会員 1口10、000円(1年間に4冊の『目で見るWHO』を送付。ホームページでのリンクをはじめ、活動の相互紹介などが容易になる。)

個人賛助会員 1口5、000円(1年間に4冊の『目で見るWHO』を送付。)

今後とも、皆さま方のご指導ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願いします。

理事長 中村安秀

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