日本WHO協会からのお知らせ

2022年12月 : ラオスからサバイディ!

ラオス小児外科プロジェクトの勝井由美マネージャーが2022年 4月から「ラオスからサバイディ!」を連載しています。

https://japan-who.or.jp/about-us/laos-pediatrics/#laos

いま、私は新型コロナウイルス感染症でなかなか行けなかったラオスを 4 年ぶりに訪問しています。 そんなわけで、今回は「ラオスからサバイディ(こんにちは)!」理事長番外編をお届けしたいと思います。

11月30日にラオス・ビエンチャンで第3回国際シンポジウム「ラオスにおける小児外科における多分野連携」が開催されました。 主催は、ラオス健康科学大学と日本WHO協会。場所はラオス国立小児病院の研修センター。 ラオスからは、ラオス健康科学大学のアロンコン教授、小児外科医のヴォンペット医師、放射線科、産婦人科、小児科など多くの関連分野からの発表がありました。 日本からは窪田昭男プロジェクト・リーダー、聖マリアンナ医科大学の北川博昭学長、日本小児外科学会の奥山宏臣理事長(大阪大学教授)という豪華なメンバーがラオスを訪問し、シンポジウムで講演を行いました。

ラオスはまだまだ新生児死亡率や乳幼児死亡率が高い国です。 しかし、ユニセフやWHOなどの協力により、下痢症や肺炎による死亡率は減少しています。 2030年には、子どもの死亡原因の 20 % は先天異常が占めるという推測もあります。 先天異常のある子どもの治療を提供するには、外科医の存在が欠かせません。 いま、ラオスには小児外科医は一人だけ。 小児外科医のニーズが高まってから、人材育成を始めたのでは間にあいません。

日本WHO協会では、2020年から、ラオス人によるラオス人のための小児外科専門医体制を確立するためのプロジェクトを開始しました。 新型コロナウイルス感染症のためにラオスに渡航ができない期間は、オンラインによる講義や症例検討会でネットワークを構築してきました。 ポスト・コロナで互いのリアルな交流が可能となったときに、それらの経験が一気に花開きつつあります。

ラオスへの航空便は海外からの観光客でほぼ満席。 保健医療の現場においても、各国との交流が再開されています。 一方、ラオス保健省においても、医療の地方展開のためには遠隔医療プログラムの発展に大いに期待しています。 ポスト・コロナの新しい保健医療のあり方をめざして、世界が激動していることが現場を通してよくわかります。

日本WHO協会が現場でのプロジェクトを展開するのかと驚かれる方もいると思います。 しかし、私たちは現場から謙虚に学びあうことのできるチャンネルを確かに持ちつつ、SDGsやそれ以降の未来のグローバルヘルスのあり方を大胆に考えていきたいと思います。

今後も日本WHO協会をご支援のほど、よろしくお願いします。

公益社団法人 日本WHO協会

理事長 中村安秀

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