日本WHO協会からのお知らせ

2022年4月

ロシアによるウクライナ侵攻により、高齢者、障碍者、女性、子どもたちなどのvulnerable (脆弱な) 人たちの状況に心を痛めています。 世界小児科学会 (IPA) 理事として得た情報では、3月27日のウクライナ小児科学会の報告によると、138 人の子どもの死亡と 184 人の負傷が公式に確認されています。 小児病院やその他の医療インフラはロシア軍によって絶えず爆撃されているなかで、ウクライナのほとんどの地域との通信回線を確立することができ、爆撃を受けた小児病院を直接支援しているそうです。 また、爆撃下で病院を受診できない患者向けの無料のオンライン相談プラットフォームやホットラインを開始したそうです。 戦火のなかで、患者のために命をかけて活動している医療者の姿に感動します。

私自身、1990年から 1 年間、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) の保健医療担当官として、パキスタン共和国のイスラマバードで勤務したことがあります。 当時は、ソビエト連邦のアフガニスタン侵攻により、500 万人のアフガニスタン人が隣国のパキスタンとイランに難民として避難していました。

私が経験した国では、難民の約 80 % は女性と子どもでした。多くの難民は、最低限の身の回りのものをもつだけで母国を離れることになります。 戦争の悲惨な情景を目撃した人も少なくありません。 自分の意志に反して生まれ育った国を離れざるを得ず、見知らぬ土地で暮らすことの喪失感は計り知れないものがありました。

国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) によれば、2020年末で、世界には 8,240 万人の難民がいます。 国外に逃れた難民だけでなく、国内避難民や庇護希望者も含まれています。

ウクライナでの悲惨な状況を見聞きするたびに、アルマアタ宣言の一節を思い浮かべています。 ベトナム戦争が終結したあとのつかのまのデタント (緊張緩和) の時期に、 WHOとユニセフが主催した国際会議にアメリカ合衆国もソビエト連邦も同じテーブルについてプライマリヘルスケアに関する熱い議論を交わしました。
「人々の健康を増進し、守っていくことは、持続的な経済と社会の発展に不可欠であるとともに、より良い生活の質と世界平和に貢献することです。」

ウクライナの人びとが健康で平和な生活を取り戻すことを願ってやみません。

そして、ウクライナ以外の国や地域で長きにわたり紛争のなかで苦しんでいる方々にも、健康で平和な生活が戻ることを願っています。

2022年 4月 7日 (木) 15 : 00 – 17 : 00に「世界保健デー2022」イベントを開催します。
2022年、WHOは「Our Planet, Our Health (わたしたちの地球、わたしたちの健康) 」を世界保健デーのテーマとしました。 日本WHO協会は、WHO世界保健デーに合わせ、「世界保健デー2022」をオンラインで開催します。
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) は、世界の保健医療のあり方を根本から揺るがしました。 私たちは、あまりにも性急にヒトの健康だけを追い続けてきたのかもしれません。 地球規模で、わたしたちの環境や健康やいのちを考えてみませんか?
山極壽一さん (総合地球環境学研究所 ・ 所長) 、渡辺知保さん (長崎大学 ・ 学長特別補佐) の豪華パネル ・ ディスカッションや「ウィズコロナ 世界と共に」受賞動画の上映など、盛りだくさんのプログラムです。
下記の参加申込フォームからお申し込みください。見逃し配信も準備しています。
多くの方のご参加をお待ちしています。

〇参加申込フォーム (定員 : 500 名)
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_AqgcQ0vbS6a5bcTbiMus5Q

よろしくお願いします。

公益社団法人 日本WHO協会

理事長  中村安秀

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