明けましておめでとうございます!
旧年中は日本WHO協会へのご支援やご協力をいただき、誠にありがとうございました。
本年も、国内外の人々の健康の向上に貢献できるよう、地道に活動を展開していく所存です。ご指導ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願い申しあげます。
2022年は、新型コロナウイルス感染症とウクライナ戦乱のなかで、あらためて健康と平和の大切さを教えられました。 この間、第二次世界大戦直後の1946年に 61 か国が調印したWHO憲章を何度も読み返す機会がありました。
WHO憲章には、有名な健康の定義だけでなく、健康と平和に関して次のような記述があります。
「世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎であり、その成否は、個人と国家の全面的な協力が得られるかどうかにかかっています。」
ベトナム戦争が終結した 3 年後の1978年に旧ソビエト連邦内のアルマアタで開催されたプライマリヘルスケア国際会議でも同様に、健康と平和を結びつけて語っています。
「人々の健康を増進し、守っていくことは、持続的な経済と社会の発展に不可欠であるとともに、より良い生活の質と世界平和に貢献することです。」
第二次世界大戦では世界中の人々が戦争と感染症の脅威に直接にさらされました。世界を大きく分断したベトナム戦争の終結直後には、世界の国々や人々の間に平和への希求があふれ出ていたのでしょう。人びとだけでなく、国際協調の流れのなかで国家が平和と健康を祈求したことに感動します。 理想主義でもなんでもなく、世界の人々が平和と健康を言葉にして結びつけ、いつか実現できることを信じた時代があったのです。
WHO憲章が単なる歴史的な価値だけではなく、極めて現代的な意義をもつことを改めて認識することができました。
ことしこそ、世界の多くの人々が平和と健康を心の底から楽しむことのできる日々を送れますようにと、強く祈らずにはいられません。
(なお、タイトルの「祈求」は、「祈り求めること」という意味の中国語です。「希求」の変換ミスではありません)
公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀