11月下旬に、トルコのイスタンブールに行ってきました。国際小児科学会(International Pediatric Association:IPA)の常任委員会に参加するためです。30名近いメンバーが世界各国から参集し、2日間にわたり濃厚な議論を行いました。IPAでは年に数回、ズームを使ったデジタル会議を行い活動の進捗状況を報告しています。しかし、1年に一度は顔を合わせ懇親も兼ねた意見交換を行うなかで、新たなアイデアが生まれ、活動の動機が高まることが期待されています。
IPA理事長の報告は非常にシンプルなメッセージでした。①自然災害や紛争により移住を余儀なくされた子どもの健康を守ること、②予防接種に対する忌避(Vaccine Hesitancy)への対応、③持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)でした。
国際小児科学会という世界中の100万人の小児科医を擁する組織が、SDGsに真正面から取り組むことを宣言する時代になったことに深い感慨を覚えました。ただ、日本だけでなく、どの国でも専門医は概してSDGsへの関心が乏しいようです。IPAでは、WHOとも連携して、SDGsに関連した子どもの健康を守る活動を推進していく方針です。
古代からアジアとヨーロッパの十字路だったイスタンブールで、日本WHO協会理事長とIPA常任委員の立場から、SDGsに関連した子どもの健康により積極的に取り組んでいく気持ちを新たにすることができました。
今後とも、皆さま方のご指導ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願いします。
理事長 中村安秀