目次
- 世界保健デー2023「Health For All」(すべての人に健康を!)
- 開会のあいさつ
- アドバイザリー・グループの皆様方からのご挨拶
- 動画作品「Our Planet, Our Health」(わたしたちの地球、わたしたちの健康) 授賞式
- シンポジウム「Health For All」(すべての人に健康を!)
世界保健デー2023「Health For All」 (すべての人に健康を!)
2023年は、世界保健機関(WHO)の設立75周年の節目の年にあたります。第二次世界大戦直後の1948年に採択されたWHO憲章は、感染症の脅威と平和への希求に満ち溢れていました。「世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎」と言明していました。
その後、ベトナム戦争が終結して3年後の1978年に開催されたアルマアタ会議で「Health for All by the year 2000(2000年までにすべての人に健康を!)」という有名なスローガンが提唱されました。その具体的な戦略がプライマリヘルスケア(Primary Health Care: PHC)でした。健康が基本的人権であると明言し、保健医療の公平な提供をめざし、住民参加のもとで保健医療のあり方を地域の中で実践していく際の理念と原則を明確に打ち出しました。
新型コロナウイルス感染がやっと収まりつつある2023年に、WHOが「Health For All」を世界保健デーのテーマに選んだことに、大きな意義があります。健康はすべての人にとっても最も大切な基本的人権のひとつであり、それを守ることは平和につながるのだという原点に立ち返って、コロナ後の健康とウェルビーイングのあり方を考えていきたいと思います。
開会のあいさつ
世界保健機関(WHO)は1948年 4月 7日に、すべての人々の健康を増進し保護するため互いに他の国々と協力する目的で設立されました。健康を定義し、健康が基本的人権の一つであることを謳ったWHO憲章が採択されました。この 4月 7日を記念して、世界各国では「世界保健デー(World Health Day)」イベントが開催されています。
日本WHO協会が社団法人として設立認可された1965年の翌年、1966年 4月 6日に第18回世界保健デー記念中央大会が京都新聞ホールで開催されました。以後、2003年まで毎年 4月には世界保健デーの記念イベントが京都で開催されていました。日本WHO協会が公益社団法人となってから最初の「世界保健デー」イベントは2022年にオンラインで開催されました。
2023年 4月 7日に、対面とオンラインのハイブリッド形式で「世界保健デー2023」を開催することができました。世界保健デーの記念すべき日に、来場者の方々と同じ空間を共有しつつ、グローバルな視点から健康を考えてみたいというのは、私たちの協会の悲願でもありました。
世界保健デーにご賛同いただいたアドバイザリー・グループの方々からご挨拶をいただき、動画の受賞者の方々にお集まりいただき、2023年の世界保健デーのテーマ「Health For All 」(すべての人に健康を!)に沿ったシンポジウムを実施しました。仲佐保さん、新福洋子さんの講演のあと、パネル・ディスカッションでは会場の参加者の方々との双方向の議論もありました。
協賛いただいた団体・企業、後援いただいた機関・団体、会場に参加いただいた関係者の皆さま、オンラインで視聴いただいた皆さま、多くの方々の厚いご支援とご協力に厚く御礼申しあげます。
今後も、WHO憲章の理念を普及し、国内外の人々の健康の向上に貢献するための活動に邁進していきたいと思います。ご指導のほど、何とぞよろしくお願いします。
公益社団法人 日本WHO協会
理事長 中村安秀
【協賛いただいた企業・団体の皆様】
アドバイザリー・グループの皆様方からのご挨拶
WHOの活動やグローバルヘルスに深くかかわっておられる有識者の方々に、アドバイザリー・グループとして関わっていただきました。さまざまな立場から、健康とウェルビーイングを地球規模で考えていくことの大切さに気づかされる熱いコメントをいただきました。
動画作品「Our Planet, Our Health」(わたしたちの地球、わたしたちの健康) 授賞式
2022年WHO世界保健デーのテーマである「Our Planet, Our Health」(わたしたちの地球、わたしたちの健康)に関する 3 分以内の動画を募集しました。2023年 1月までに、個人から団体まで多くの方から様々なジャンルの動画を応募いただきました。選考委員会による厳正な選考の結果、優秀賞 6 作品を選出しました。
6 作品はいずれもあたたかさや熱い想いにあふれており、元気をもらえる作品ばかりでした。イベントで上映作品を視聴した参加者からは、「若い方のテーマをとらえた表現に感心した」、「学生さんの地球環境に対する危機感が良く伝わってきた」といった感想をいただきました。
皆さんもぜひご覧ください。
シンポジウム「Health For All」(すべての人に健康を!)
WHO世界保健デーの2023年のテーマである「Health For All 」(すべての人に健康を!)を掲げ、仲佐保さん(シェア=国際保健協力市民の会・共同代表理事)、新福洋子さん(広島大学副学長(国際広報担当)、大学院医系科学研究科・教授)にご登壇いただきました。
仲佐さんは40年前に設立された国際NPOの代表。ご自身もカンボジア難民キャンプでの支援活動をふりだしに最近はコンゴ民主共和国に在住するなど、世界各地でプライマリヘルスケアを実践してきました。
新福さんは、2020年にWHOなどから「世界の卓越した女性の看護師・助産師リーダー100人」に選出された助産師。タンザニアで妊産婦の健康を促進するアプリを開発し、医療在来知を訴え、⼈々が暮らしのなかで形成する実践的、経験的な知のあり方を探求してきました。
おふたりの講演に引き続き、中村安秀日本WHO協会理事長がファシリテーターを務め、会場からの質疑応答も含めたパネル・ディスカッションが行われました。「すべての人に健康を!」というスローガンの持つ魅力と深遠さを感じていただけると幸いです。
◯ ファシリテーター:
・ 中村 安秀 さん(日本WHO協会理事長、大阪大学名誉教授)
◯ パネリスト:
・ 仲佐 保 さん(シェア=国際保健協力市民の会 共同代表理事)
「シェア=国際保健医療市民の会が歩んだ『プライマリー・ヘルス・ケア40年の道』」
資料:シェア=国際保健医療市民の会が歩んだ「プライマリー・ヘルス・ケア40年の道」仲佐保さん
・ 新福 洋子 さん (広島大学副学長 (国際広報担当) 大学院医系科学研究科 教授)
「タンザニアの妊産婦の健康を促進するアプリと医療在来知」
資料:「タンザニアの妊産婦の健康を促進するアプリと医療在来知」新福洋子さん