●選定過程
(1)公募の実施概要
下記の実行団体公募要領をご覧ください。
https://japan-who.or.jp/wp-content/uploads/2025/02/394ed053faf2eb757782925f85dfff73.pdf
(2)外部審査員による審査の実施
外部審査員として下記の3名を選出しました。
・小林米幸先生 (医療法人社団小林国際クリニック名誉医院長)
・李節子先生 (国際保健協力NGOシェア副代表理事)
・田村純人先生 (東大病院国際診療部 部長)
実行団体採択審査会開催 2025年6月25日(水)
最終候補団体と審査委員との個別ZOOM面談開催
・特定非営利活動法人チャーム 2025年7月8日(火)
・特定非営利活動法人多言語センターFACIL 2025年7月8日(火)
・特定非営利活動法人まなびと 2025年7月8日(火)
2025年7月16日(水)に内定実行団体の決定
各団体にメールにて連絡
●選定理由
<特定非営利活動法人チャーム>
審査コメント(審査会議で委員から出された評価できる点や課題、期待事項など)
貴団体の事業目的は、日本WHO 協会の「だれひとり取り残されない外国人医療」事業との妥当性があります。また20 年以上NPO 法人として感染症を対象とした活動経験があり、対象となる集団との能動的な関わりから、将来的にわたる相互理解の礎の形成が期待できると思われます。貴団体は、組織内に専門家がいて人を中心とした考え方をしていることや、外国籍者コミュニティとの繋がりにより、コミュニティ内の外国籍当事者自身が専門的研修を受けヘルスケアワーカーとなり医療機関、保健行政、市民団体と連携し、脆弱な状況にある外国人のニーズに寄り添っていけることが強みであることが高い評価となりました。また、HIV/STI の検査多言語受検システムを府下の保健所に広げること、そこから感染症包摂的多言語支援体制導入を目指されることは素晴らしいことです。実現可能性の面においては、達成度を表す手法を用いて事業のアウトプットとアウトカムの評価指標を工夫する必要があるかもしれません。事業実施にあたっては、①事業の規模と対象者がどの範囲なのかをある程度明確にして計画書に記載してほしい ②アウトカムを最上位におき、その実現に向けた道筋を体系的に明示したもの、たとえばロジックモデルを作成することにより、事業計画に具体的に落とし込んでほしい。面談でも話題になりましたが、上記の2点について期待しています。また資金計画の自己資金については、最終年度には20%以上の負担を目標にしていただくようお願いします。
<特定非営利活動法人多言語センターFACIL>
審査コメント(審査会議で委員から出された評価できる点や課題、期待事項など)
多言語医療情報のWEB サービスの提供は営利企業からもたくさん出ており、行政レベルでも提供されていますが、日本語が不得手な外国人にとってはアクセスが難しく、母語のみで必要な情報を手に入れるハードルが高い現状です。貴団体はそれらを解消できるポータルサイトの構築を実施します。また、たとえサイトの内容・情報をわかりやすく提供しても、実際に使われなければ意味がないこと、そして利用者のベネフィットが大きく、アクセスが増え、継続的に使っていただくためには、人と人の繋がりが非常に重要となることを認識し、具体的なアプローチを示しています。もともと地域での外国人支援における実績、支援ネットワーク、現場感を有し、個人個人のたとえ小さな悩み事でもコミュニティで対面相談できる環境があること、そこから得られる情報を生かしてきました。ニーズ・ウォンツを明確に把握し、コミュニティ内で活用しながらユーザーからの意見をフィードバックし、アップデートしている点を高く評価しました。さらに本テーマに取り組む強い意欲を持ち、事業終了後の継続が期待でき、波及効果の見込みがあることについても評価が得られました事業実施にあたっては、面談でお伺いしたように、単にポータルサイトの構築だけでなく、この事業の結果どういう変化があったか、どういう社会になっているかというアウトカムを、ロジックモデルの作成などから具体的に事業計画に落とし込んでいただくことを期待します。
<特定非営利活動法人まなびと>
審査コメント(審査会議で委員から出された評価できる点や課題、期待事項など)
貴団体はもともと神戸市中央区を主たる拠点として、子ども向けの学童保育事業、外国人向けの日本語教室事業、その活動を通じて留学生の生活相談、居住支援の活動、食料配布などのアウトリーチなど、特定の地域に根差した包括的な生活支援を行っています。そのように対象が明確かつ活動が地に着いており、また能動的でもあります。これまでの活動の中から、外国人の健康・医療問題に行き当たり、当事者が①誰にどうやってアクセスしたいいかわからない②薬をもらったけど何の薬かわからない③相談相手がいない④文化・習慣も全く異なり不安、などの現状を解消するため、ヘルスボランティアの育成を企画しました。当事者が安心して医療を受けられるように、ヘルスボランティアが医療と生活の架け橋となるべく地域住民とのネットワークの活用で身近な支援者とつなげていく活動を行い、医療者向けの多文化対応研修や官学民の定例会などで課題を共有していく点が高く評価されました。加えて、本事業への取り組む本気度、情熱を感じ、将来を担う地域人材の育成が期待でき、事業終了後の波及効果の見込みがあることについても評価が得られました。事業実施にあたっては、面談でお伺いしたように、事業の結果どういう変化があったか、どういう社会になっているかというアウトカムを明確にし、ロジックモデルを作成することにより具体的に事業計画に落とし込んでいただくことを期待します。
●選定された事業の助成額の総額及び内訳並びにその算定根拠
事業の助成額
<特定非営利活動法人チャーム>
管理的経費 1,666,000円
直接事業費 14,250,600円
評価関連経費 650,000円
合計助成額 16,566,600円
<特定非営利活動法人多言語センターFACIL>
管理的経費 2,700,000円
直接事業費 15,300,000円
評価関連経費 900,000円
合計助成額 18,900,000円
<特定非営利活動法人まなびと>
管理的経費 1,860,000円
直接事業費 16,130,000円
評価関連経費 889,800円
合計助成額 18,879,800円
算定根拠について
助成額は各実行団体よりご提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。